展望
G1馬が5頭、デアリングタクトが1年ぶりに復帰
2022年5月10日 14:25配信
今年のヴィクトリアマイルにはG1馬が5頭登録。非常に豪華なメンバーとなった。
2000年の三冠牝馬デアリングタクトがここで1年ぶりに戦線復帰。まずはどの程度仕上がっているかというところが問題だが、距離の1600mもこの馬のベストよりは少し短いしもしれない。ただ桜花賞も勝ってはいるわけで、状態が整ってさえいれば能力の違いで押し切る可能性も十分ある。
ソダシはチャンピオンズカップ→フェブラリーSとダートを試したが、芝スタートで1600mのフェブラリーSでは3着と好走した。ダートも悪くはないのだろうが、計算がたつのはやはり芝。東京ではオークス大敗があるものの2400mだし、1600mならアルテミスSを勝っている。父クロフネも母の父キングカメハメハも東京芝1600mのG1勝ちがあり、その点も心強い。
レシステンシアは高松宮記念に出走、逃げて6着と敗れた。最後方にいたナランフレグが届いた競馬なので、自分で自分を苦しめるペースを作ってしまったという印象だ。ヴィクトリアマイルは昨年6着なので強気になれないが、もともとは阪神ジュベナイルフィリーズ勝ち馬だからマイルが長すぎるということではない。緩急のないフラットなペースを2~3番手で追走する形になればこなす可能性もある。
レイパパレはデビュー2戦目以来、久々の1600mに距離を短縮してきた。6連勝から一転6連敗となってしまったが、大阪杯もクビ差2着しているわけで、能力的な問題があるわけではない。ここは1600mに対応できるかどうかがすべて。好位で競馬をしてきた馬なので位置が取れないと不安が残るし、かといって無理に前へ行くと末がもたない。まずはスタートを決めて、少しでも楽に、少しでも前に位置したいところだ。
アカイイトは4走前のエリザベス女王杯で大穴をあけたが、自分で競馬を作れるタイプではなく、常に展開待ちの立場になる。マイルもこの馬にとっては少し短いが、ハイペースで前が止まるような展開ならばある程度は戦えそうだ。
ソングラインはサウジアラビアの1351ターフスプリントを制しての凱旋レース。そこから2カ月以上が経っているし、状態を整える余裕は十分あったはずだ。東京芝1600mといえばNHKマイルCでシュネルマイスターの末脚に屈して悔しい思いをした舞台。富士Sを勝っていてコース適性は確実にあるのでそれを生かしタイトル奪取を狙いたい。
ファインルージュはこのメンバーに入ると少し厳しいかもしれないが、とにかく堅実な競馬をする馬。2400mのオークス以外はすべて3着以内しており、上位人気馬が状態や展開で崩れてくるようなら代わって浮上もありそうだ。
text by 須田 鷹雄