展望
ハイレベルな争い 桜花賞馬スターズオンアース、サークルオブライフに注目
2022年5月17日 10:39配信
オークスといえば例年中心になるのが桜花賞組。その桜花賞を制したのはスターズオンアースだった。ソウルスターリングの近親で、生産した社台ファームは距離延長に自信を見せている。速い上がりタイムをマークできる馬で、良馬場・時計の出るコンディションでは特に強みを発揮しそうだ。
桜花賞2着はウォーターナビレラ。チューリップ賞こそ5着に敗れたが当時は前哨戦ということでまだ仕上げ途上だった感があり、桜花賞で復活してきたのは自然なこととも言える。ここまですべてのレースで好位をとっており、レースセンスがかなり高い馬という印象だ。こちらは前残りが可能な馬場状態・展開を期待したい立場である。
サークルオブライフは2番人気4着と桜花賞の馬券圏内には入れなかったが、上がり最速の33秒3をマーク。当時は馬場の内寄りが有利な馬場で、後方からコーナーで大外を回ったこの馬が4着というのはむしろ能力の高さを証明するものだった。2400mへの距離延長も血統的にはプラスになる可能性があり、この舞台で2歳女王の復活を期待したい。
ピンハイはキャリア2戦目でチューリップ賞2着と好走し、桜花賞でも5着とまずまず健闘。ただ今回は課題が2つある。ひとつは距離で、ミッキーアイル産駒だけに2400mは微妙なところ。もうひとつは馬体の維持が可能かどうかという点。前走時点で406キロ。関西馬で今回は輸送があるので、そこをクリアしなければならない。
ナミュールは桜花賞で1番人気10着と人気を裏切った。大外を回った不利はあったがそれはサークルオブライフも同様で、こちらが大きく崩れてしまったのは状態面の問題があったかもしれない。桜花賞のあとはノーザンファームしがらきで調整され、馬体重は回復している。桜花賞を大敗した馬でも当時人気になっていたようなレベルの馬ならトールポピー、ルージュバック、アドマイヤミヤビのようにオークスで好走した例があるので、それらの前例に続きたいところだ。
トライアルのフローラSはエリカヴィータが制した。セレクトセールで1億8700万円の評価を受けた良血馬。キャリア3戦で未知の部分を残しているのが魅力。キングカメハメハの最終世代がクラシック制覇を遂げられるか注目だ。
フローラS2着はパーソナルハイ。これまで8戦1勝2着3回だが、逃げたレースは1勝2着2回と崩れていない。ここでもハナを切れればしぶとさを発揮する可能性がある。
何年かに一度オークス好走馬を送り出してくる忘れな草賞。今年はアートハウスが制した。母パールコードは秋華賞2着馬。血統的な裏付けもあるうえに、ここまでの2勝が大きな着差をつけてのものだけに、ここでもファンに期待されそうな1頭だ。
text by 須田 鷹雄