展望
春競馬の総決算!タイトルホルダーのG1連勝か?エフフォーリアが復活狙う
2022年6月21日 10:03配信
長距離G1で活躍を続けるタイトルホルダーと復活を期すエフフォーリア、その対決が注目となるのが今年の宝塚記念だ。
タイトルホルダーは菊花賞に続き、天皇賞春で見事な逃げ切りを披露。逃げを打ちつつ上がり3ハロンのタイムも最速という、文句なしの勝利だった。豊富なスタミナを武器にラップの緩急を操るレースぶりは見事としか言いようがないが、今回は距離が2200m、しかも逃げ馬のパンサラッサがいる。パンサラッサは中距離の逃げ馬で速い逃げを打つタイプ。タイトルホルダーはそれでも逃げるのか控えるのか、逃げた場合自分に有利なペースを作れるのか、そこが問題となる。
エフフォーリアは大阪杯で9着とよもやの大敗。ここまで崩れたのはデビュー以来はじめてのことだ。当時は展開も向かなかったが、それにしても走らなかったという印象。天皇賞秋や有馬記念で上の世代にも勝っている馬なので、能力の問題でないことは明らか。あとはズブさというか騎手の指示に対する反応の鈍さが定着してしまわないよう祈りたいところだ。力さえ出せば勝てるはずの馬である。
ディープボンドは天皇賞春でいったん後退しながらも最終的には2着まで復活してきた。筋金入りのステイヤーというだけでなく、勝負根性もある馬だ。2200mはこの馬にとってやや短いかもしれないが、中団より前でレースを進められる脚質は宝塚記念に合っている。いまの充実ぶりならこの距離でも好走可能だろう。
デアリングタクトは1年ぶりのレースとなったヴィクトリアマイルで6着。成長分があるにしても22キロと大幅な馬体重蔵でのレースだったし、インが伸びない馬場での1番枠。それで0.5秒差の6着は復帰戦としては及第点だったのではないだろうか。3歳時も牡馬相手のG1で勝ってはいないのでここも勝ち切るまではどうかと思うが、休養前と同等のレースは期待できる。
オーソリティはディープボンドと同様2200mだとやや短いかもしれないが、サウジでは2100mのレースを勝ったし、こちらのほうが距離克服も容易と見える。2歳時かつ少頭数だった芙蓉Sでしか上がり最速をマークしたことがない馬だが、好位からしぶとく残すタイプの馬は宝塚記念には合っている。
パンサラッサは前述の通り、いつものスタイルで逃げて2200mでも押し切りたいところ。ヒシイグアスはG1勝ちこそないが香港カップで2着するなど能力はある馬。出世の過程を見るといかにも晩成という感じがするし、大阪杯の4着からさらに前進があってもよいところだ。
text by 須田 鷹雄