展望
混戦模様のスプリンターズS!メイケイエールは念願のGⅠ勝利なるか
2022年9月27日 11:10配信
今年のスプリンターズSは絶対的な存在がいない。昨年の上位馬は不在、高松宮記念は道悪のうえに波乱決着。混戦模様と言ってよいだろう。
そんな中、ファンが頼りやすいというか、人気を集めそうなのはメイケイエールだ。最重要プレップレースであるセントウルSを快勝。昨年のスプリンターズSでは4着だったが、当時の1~3着馬はおらず、5~9着馬もいない。課題だった気性の問題もすっかり解消した印象で、中団からの競馬もできるようになって安定味が増している。なにかの拍子にスイッチが入ってしまうことさえなければ上位争いは必至だ。
既にG1タイトルを持っているという意味では格上的存在になるのがシュネルマイスター。ただデビュー戦の1500mがいままで走った最短の距離で、1200m戦を選んだのは意外でもあった。似たケースでセントウルSのソングラインは5着に敗れており、短距離の流れに乗れるかどうかは大きな課題だろう。一方で能力の絶対値が高いことは間違いなく、地力だけで上位に食い込んでくることはありうる。
もう1頭のG1馬がナランフレグ。高松宮記念は重馬場を苦にせず、4角14番手から馬群を縫うようにして見事な追い込み勝ちを見せた。その前も馬券に絡み続けていたように追い込み馬にしてはパフォーマンスが安定しているタイプだが、やはり展開に左右される面はある。逆に展開が向けば再度の好走も可能で、オーシャンS2着などを見る限り良馬場でも問題なく走れるはずだ。
ナムラクレアはこれまで掲示板を外したことのない堅実派。函館スプリントSのときは50キロという斤量が目立ったが、年齢と牝馬であることを考えたら軽すぎる斤量だったわけではない。重賞を勝ったことで実質的に2キロハンデを積まれた北九州記念でも3着に好走。ここは古馬のG1実績馬が少ないぶん、3歳馬が食い込む余地がある。
3歳馬ということではウインマーベルにもチャンスがありそうだ。大敗したレースはファンコンSだけで、その後は1,1,2着とよく走っている。キーンランドC2着で対古馬戦のメドもつけた。1分7秒台の経験がなく8秒台も1回だけという馬なので速い時計の決着になると正直苦しい面があるが、雨でも来た場合には面白い存在になる。
逆に3歳牝馬テイエムスパーダは時計勝負歓迎。CBC賞のように強い逃げを打ちたいところ。2歳時には不良馬場でも好走しているが、やはり良馬場のほうがよいだろう。
キーンランドCを勝ったヴェントヴォーチェはレースによってムラがあるタイプだが、春雷Sで1分6秒8とロードカナロアのレコードに0.1秒差まで迫っている。展開がハマったときにはファンの想像以上の走りをしてくるかもしれない。
text by 須田 鷹雄