展望
史上7頭目の三冠目指すスターズオンアースに注目、対抗馬筆頭はあの馬
2022年10月11日 11:11配信
今年の秋華賞、なんといっても注目はスターズオンアースの三冠成るかだろう。オークス後に剥離骨折が判明したが、7月中には騎乗調教を再開。秋華賞直行の調整としては十分な時間もあった。キャリアを通じて4着以下がなく脚質も極端ではない馬なので今回も上位争いは必至。あとは勝ち切れるかどうかだ。終いの脚が鋭い馬なので今回も道中は溜めていくと思うが、それが溜めすぎにならないようにだけ気をつけたい。
オークス2着のスタニングローズは紫苑S勝ちからの参戦。紫苑Sはオープン特別時代には本番で好走する馬をあまり出せなかったが、G3に昇格してからメンバーレベルが明らかに上がった。今年の紫苑Sも強い相手だっただけに内容は評価できる。前で競馬できるのがこの馬の強み。スターズオンアースとは脚質が違うので、展開による逆転があるとしたらこの馬が候補の筆頭となる。
ローズSはアートハウスが制した。忘れな草賞勝ちのあとに臨んだオークスでは陣営からあまり強気のコメントが出ていなかったが、夏を越えて成長したここでは二冠馬を脅かす走りが期待できる。かつては走らないと言われてきたスクリーンヒーロー牝馬だが最近は活躍馬も増えており、特に晩成タイプが目立つのでその点からも期待できる。
ナミュールは本番直行という使い方が向いているタイプ。2歳時に賞金を加算できなかったため春はチューリップ賞で権利を取ったが、本番はそこからやや馬体を減らしたし気配もあまり良くなかった。小さい馬なので使い込むと良い面がなく、ここ一発で勝負を決めたいところだ。
ウォーターナビレラは阪神JF3着、桜花賞2着の実力馬だが、そのあとはオークス13着、クイーンS10着と奮わない。特にクイーンSは負けすぎの印象がある。シルバーステート産駒は全体に本格化の時期が早い印象もあり、成長力がどうなのかは気になるところ。あとはG1好走馬という格でどこまで押し切れるかだ。
ピンハイは派手さこそないが桜花賞5着、オークス4着の隠れた実力馬。ミッキーアイル産駒だがどちらかというと母系の影響が強く、距離の問題はない。こちらはナミュール以上に小さい馬なので、直行を選んだのは明らかに正解。夏を越しての成長次第では、春に先着された馬たちに迫る好走が期待できる。
サウンドビバーチェはオークスの発走前に他馬に蹴られる不運があったが、紫苑S2着で精神的ダメージのないところを見せた。紫苑Sは出走権を確保するための勝負駈けだったが、プラス14キロでその課題をクリアしたのは収穫。本番までにさらなる上昇余地があり、最後の一冠ではファンのイメージ以上に走れそうだ。
text by 須田 鷹雄