展望
有力3歳馬3頭など豪華メンバーが集結!ジオグリフは位置取りがカギ?
2022年10月25日 09:46配信
有力3歳馬3頭の参戦が話題の天皇賞秋。古馬の上がり馬タイプなどもいて、充実のメンバー構成となった。
皐月賞馬ジオグリフは、ダービーでは7着と大敗。父がドレフォンということもあって距離に敗因を求める人も多そうだが、それに加えて位置取りの問題もあったのではないだろうか。ダービーは外枠だったし、スタートから1コーナーにかけて掛かりかけてもいた。距離不安もあって控えて大事に乗る競馬になったが、そのぶん皐月賞や共同通信杯都は趣旨の違う競馬になってしまった。今回はある程度の位置を取りたい。
イクイノックスは皐月賞・ダービーともに2着だったが、皐月賞は4角3番手、ダービーは4角14番手と趣旨の違う競馬でともに好走した。2歳時の東スポ杯では上がり32秒9、ダービーも勝ったドウデュースより0.1秒速い33.6秒だった。それを踏まえると今回は終いを生かす競馬をしてくる可能性が高い。あとはそれに展開がハマるかだろう。
ダノンベルーガは皐月賞、ダービーともに4着で先に挙げた同期2頭より成績的には劣るのだが、速い上がりを使えるという武器は持っている。成績だけを見ると早熟タイプに見えてしまうが、ハーツクライ産駒でそれはないはず。人気の重圧から逃れてのびのび競馬ができる今回は一発があるかもしれない。
古馬の総大将は昨年のダービー馬シャフリヤール。前走のプリンスオブウェールズステークスは全く良いところが無かったが、アスコットはたとえ良馬場でも日本調教馬にとって難しい舞台でもある。東京に替わるのは確実に良いし、中団から競馬ができることで展開がどうなってもある程度対応できる。騎乗予定のクリスチャン・デムーロ騎手がどんな競馬をするかも楽しみなところだ。
ジャックドールは札幌記念を勝っての参戦。当時はパンサラッサとの逃げ争いが注目されたが、あっさりハナを譲ったうえで勝ってみせた。戦力の幅が広がったのは大きい。懸念材料があるとしたら大阪杯で5着に敗れている点。G2で強くてもなぜかG1には縁がないという馬もいるので、その壁を越えられるかに注目だ。
パンサラッサも宝塚記念では8着たったし札幌記念でジャックドールに敗れているのは正直分が悪いが、この馬の魅力はクレイジーとさえ言える逃げが打てること。他馬が絶対付いていきたくないと思うような派手な逃げを打てば一発があってもおかしくない。
マリアエレーナは堅実な競馬と位置取りのセンスが魅力。前走では牡馬を相手に重賞も勝っているが、それでも牡馬の一線級が相手となるとやはりしんどい面はあると思う。別定G2の京都記念で8着だったことを考えると、ここはまずそれ以上の着順を目指したい。
text by 須田 鷹雄