展望
エリザベス女王杯は混戦の予感 デアリングタクトの復活に期待
2022年11月8日 09:42配信
今年のエリザベス女王杯は絶対的な存在がおらず、混戦と言っていいだろう。本来ならば一昨年の牝馬三冠馬デアリングタクトが他を圧倒すべきところだが、4歳以降は勝ち鞍がなく、前走はオールカマーで6着と大敗。宝塚記念では3着と牡馬相手のG1でも好走しているので牝馬どうしの一戦なら復活があるかもしれないが、ファンも半信半疑というのが正直なところだろう。
スタニングローズは秋華賞を制しての参戦。過去に秋華賞馬がその年のエリザベス女王杯に出走したケースは[3-2-1-9]とイメージより苦戦している。3勝の他に1位入線で降着となったカワカミプリンセスがいるが、それを1着にカウントしても勝率は26.7%にとどまる。逆に、ここを勝てるようなら来年も牝馬のトップとして君臨する可能性が高まると言えるだろう。
ナミュールも秋華賞からの参戦。秋華賞2着馬が同年のエリザベス女王杯に参戦したケースは[1-3-0-10]とさらに厳しいが、今年は古馬に絶対的な存在がいないぶん3歳馬にチャンスがあるかもしれない。オークス以前を考えるとスタニングローズと能力差はないと思うが、こちらは続戦すると馬体を維持できるかというテーマがあり、まずはそれを乗り越えてほしいところだ。
馬体維持がテーマになる3歳馬といえばピンハイも同様。総合力では勝負できなくても速い上がりという一芸が機能すれば上位争いも可能だ。
ジェラルディーナはオールカマーを勝っての参戦。3連勝でオープン入りしたあとは重賞で4,4,6着と苦戦していたが、その後2,3,1着と成長を見せた。馬券に絡んだ3戦はすべて牡馬相手のもの、しかも前走は別定G2なので価値が高い。母ジェンティルドンナという超良血が開花すれば一気にG1獲りまでありうる。
ウインマリリンは牡馬相手のG1,G2に出走してきたので成績表に大きい着順も目立つが、良いときのパフォーマンスは今回のメンバー中でも上位。昨年のこのレースでは16着と大敗したが、当時は完全な差し競馬になってしまっていた。前から残せるような展開ならば結果も変わってくる。
昨年の優勝馬アカイイトはその後勝利がなく、馬券に絡んだのも金鯱賞の3着のみ。脚質からいって自分で競馬は作れず、どうしても展開頼みにはなってしまう。再び前崩れの展開になることを祈るしかない。
イズジョーノキセキは府中牝馬Sを勝っての参戦。人気はなさそうだが、府中牝馬SはG2になってから重要度を増しているのでファンのイメージより怖い存在だ。
text by 須田 鷹雄