展望
外国馬4頭の出走は5年ぶり 日本馬筆頭候補はシャフリヤール、得意条件で期待高まる
2022年12月6日 14:26配信
今年のジャパンカップは日本調教馬がやや寂しいメンバーになってしまったように思うが、一方で外国調教馬が4頭出走予定。外国馬4頭は2017年以来5年ぶり。外国調教馬の優勝は2005年アルカセットが最後、3着以内は06年ウィジャボード(3着)が最後だが、久々に外国馬に良いところを見せてほしいものだ。
日本馬の総大将は、昨年のダービー馬シャフリヤール。天皇賞秋は5着に終わったが、道中2番手以下の馬は速い上がりを要求される展開で、この馬には向いていなかった。海外遠征からの帰国初戦という事情もあったし、今回はデキの面でも上積みがあるはず。左回り芝2400mはダービーだけでなくドバイシーマクラシックも勝っている得意の条件。ファンの期待に応えてくれる可能性は高いだろう。
ダノンベルーガはG1だと4,4,3着だが、ダービーで1番人気に推された器だしここでかかる期待も大きい。こちらは速い上がりの競馬が得意なタイプ。スローペースでいわゆるよーいどんの競馬になったときには強みを発揮する。
ヴェラアズールは京都大賞典を勝った上がり馬として期待されている。かつてはレガシーワールドやマーベラスクラウン、最近ではシュヴァルグランが京都大賞典からここというローテで勝っている。春まで条件馬だっただけにG1レベルで通用するかどうかは分からないが、今年のメンバーならチャンスもありそうだ。
デアリングタクトは一昨年の牝馬三冠馬にしてJC3着馬。ただ近況は不振で、この秋もオールカマー6着、エリザベス女王杯6着だった。前走については重馬場も影響していただろうが、それにしても負けすぎの感がある。東京コース、特に良馬場でどこまで復活できるか注目したい。
このコースでの復活を狙うというのはユーバーレーベンも同じ。昨年のオークスで優勝したあとは1着がないが、昨年のJCでは6着とそれなりに走っていた。今年は相手関係が昨年より楽なぶん、全身を狙いたい。
オネストはパリ大賞典勝ち馬で、今回来日する外国馬の中では実績上位。凱旋門賞は10着だったが、あそこまで極端ではない道悪なら能力を発揮できる。
グランドグローリーは昨年のJCで5着。とにかく大敗はしない馬で、ヴェルメイユ賞は7着だが着差は0.6秒差。凱旋門賞も5着に入っている。昨年先着された馬は今回シャフリヤールしかいないし、侮れない存在だ。
シムカミルはデビュー2戦目から8連続連対中。ただ、重賞は8頭立て以下のレースにしか出ていないという事情もある。テュネスはG1を含む5連勝中。ただ道悪での競馬が多く、日本の馬場に対応できるかは微妙なところだ。
text by 須田 鷹雄