展望
多くの馬に好走のチャンス!阪神外回りは人気ラヴェルに好条件
2022年12月6日 10:16配信
今年の阪神ジュヴェナイルフィリーズは突出した存在がおらず、多くの馬に好走のチャンスがありそうだ。
人気はラヴェルだろうか。昨年のこのレースで1番人気4着、最近では秋華賞4着したナミュールの半妹だ。母サンブルエミューズはヴェスターヴァルトを含めデビューした産駒3頭がすべてオープン馬となっている。ラヴェルはこの時期のナミュールより一回りサイズがあって続戦しても不安はないし、アルテミスSで見せた末脚は強烈。エンジンのかかりが遅い面はあるので勝ち切れない可能性もなくはないが、阪神外回りコースはこの馬としては良い条件だ。
リバティアイランドはそのアルテミスSで2着。新馬勝ちのときにはタイムの出る新潟コースとはいえ上がり3ハロン31.4秒をマークして話題になった。前走は差されての負けだしラヴェルのほうが強い可能性はあるが、枠順と位置取りで逆転もあるくらいの力関係とも思える。
ドゥーラはリバティアイランドと同じドゥラメンテ産駒だが、馬のタイプは全く異なる。札幌2歳Sを含めた2勝はともに札幌芝1800mでのもので、距離短縮と速くなる上がりにどこまで対応できるかがテーマになる。雨が降るなどして少し重い馬場になったほうがアルテミスS組に対抗する上では良い。
モリアーナは2戦2勝。東京で新馬戦を勝ったが、2勝目はドゥーラと同じ札幌芝1800m。こちらも全体のタイムや上がりが速くなると心配だが、ここで好走すると地力が一定以上ということになり、後々は距離が伸びてのオークスあたりで楽しみな存在になる。
ウンブライルも2戦2勝。もみじSで負かした相手がそのあとぱっとしないが、3馬身差の完勝だった点は評価できる。全兄ステルヴィオは同じコースで行われた朝日杯フューチュリティSで2着(2017年)。血統からコース適性は期待できる。
ファンタジーS組は評価が難しい。勝ったリバーラは今回距離延長かつ初距離。キンシャサノキセキ産駒は阪神芝1400mではそれなりに勝っているのだが、阪神芝1600mでは[0-8-3-62]と実は未勝利で、複勝率も1400mより落ちる。ファンタジーS着のブトンドールも距離延長で初距離。こちらはビッグアーサー産駒でまだ2世代しかデータが蓄積していないが、スプリンターだった父の適性がそのまま産駒成績に反映されており、こちらも阪神外回りの1600mはなかなか厳しい条件となりそうだ。反対に新潟2歳S勝ちのキタウイングはマイル重賞の勝ち馬だが本質的にはもっと距離があったほうがよさそう。マイルGIで前半の流れに乗れるかどうかがカギになる。
text by 須田 鷹雄