展望
最注目はダノンタッチダウン!対抗ドルチェモアも能力値は高い
2022年12月13日 12:16配信
今年の朝日杯FS、最も注目を集めるのはダノンタッチダウンだろう。半兄がダノンザキッド、ミッキーブリランテという良血馬。父がロードカナロアということで上よりはマイルに特化したタイプだ。安田隆行厩舎もどちらかというとマイル以下の距離を得意としており、ここは強気になれる要素が多い一戦。速い上がりを使えるという武器もあるし、よほど極端な外枠を引くことがなければ勝ち負けに絡んでくる可能性は高い。
ドルチェモアは2戦2勝でG1に臨む。母アユサンはご存知の通り桜花賞馬。ここへきてついに大物を出した。新馬戦は札幌の洋芝で逃げ切り、前走は東京で33秒台前半の上りを繰り出し解消。それぞれタイプの違う2つの競馬をしたことで、能力の絶対値が高いことを示している。
オオバンブルマイも2戦2勝。こちらは1400m戦を連勝してきたので、距離延長が課題となる。血統を見ると正直なところ強気にはなれないが、1600mが絶対に無理というほど短距離に特化しているわけでもない。まずは道中しっかり折り合うことでスタミナを温存し直線に向かいたい。
オールパルフェはデイリー杯でダノンタッチダウンを抑えて逃げ切り勝ちを収めた。正直なところ展開を味方につけた感はあったし今回はある程度マークされてしまうだろうが、競馬において前に行けるというのはアドバンテージ。父リアルスティールの産駒は良い馬とそうでない馬も沙が大きいように思えるが、前者であるところのこの馬は高いステージまで昇っていける可能性があるように思う。
レイベリングは新馬戦を勝ったばかりだが、その内容は鮮烈なものだった。父は欧州史上最強馬の1頭に数えられるフランケル。一瞬のスピードもあって、日本における欧州馬にありがちな重さがない。いきなり世代トップまでいけるかどうかはやってみないと分からないが、期待されてよい素材であることは間違いない。
フロムダスクは新馬戦の時点ではかなり人気になっていた馬。カンナSでは大敗してしまったが、京王杯2歳Sでは2着と巻き返してきた。距離延長の初距離、前走で負けている馬との対戦など厳しい条件が多いが、活路があるとしたら道悪。道悪で逃げる形になればアップセットを演出しうる。
コーパスクリスティは1400mで2連勝してきたが、本来の血統そのものは1600mどころか2000mかそれ以上でもよいくらいのもの。デビューから1400mを選んだということは気性などが短いところ向きなのだろうが、折り合いさえつけば1600mへの延長はむしろブラスに働くはずだ。
text by 須田 鷹雄