展望
人気は根岸S覇者・レモンポップか 距離延長の懸念は?
2023年2月14日 09:50配信

今年のフェブラリーSは中距離の大レースで活躍している馬が少なく、そのぶん根岸S組から来るレモンポップが人気になりそうだ。同馬はこれで10戦連続での連対。いつも2~3番手で競馬をする馬が根岸Sではそれより少し後ろの位置取りになったが、問題なく勝ってみせた。差し・追い込みタイプが強いレースなので、道中5番手からの勝利というのは地力の現れと言っていいだろう。1400mを多く使われてきたことと1600mの武蔵野Sで負けていることで距離延長を心配するファンもいるだろうが、2歳時に1600mのカトレア賞を完勝しているし、血統的には1600mは普通にこなせるはずだ。
ドライスタウトは一昨年の2歳ダートチャンピオン。2歳時の3戦はいずれも圧勝だったが、3歳になってからは兵庫チャンピオンシップで4着に敗れ一からの出直しを余儀なくされた。前走のすばるSは2着に敗れたものの、差しての好走を実現して戦略の幅が広がったことは評価できる。3歳時に結果が出なかったぶんを一気に取り戻したい。
レッドルゼルは昨年が6着、一昨年が4着。その2戦以外は1400m以下のレースにしか使われておらず、やはり距離が課題になる。昨秋の東京盃を制したように能力自体は健在だが、上位に食い込むためには展開の助けが必要だろう。どのみち前に行くタイプではないし、前半はじっと溜めて機会をうかがう競馬になりそうだ。
メイショウハリオは帝王賞勝ちがあり、今回のメンバーでは貴重な大レース勝ち馬。オープンに上がってからは1700m以上にしか使われていないので、こちらは逆に距離短縮がテーマになる。準オープン勝ちがこのコースだったので、対応してくる可能性もあるし、適性よりも能力の絶対値を尊重するならこの馬を侮るわけにはいかない。
スピーディキックは浦和競馬から勇気ある参戦。同期の南関東牝馬はもちろん、戸塚記念では牡馬を一蹴しており地方を代表する資格は十分にある。ただ関東オークスで負けているように中央の一線級に混じったらどうかということと、芝スタートをうまくこなせるかはやってみないと分からない。
逆にアメリカからはじめての遠征馬となるシャールズスパイトは現地だと芝メインで走っており、最初のダッシュはつく。あとは向こうより重い日本のダートでどこまで走れるかだ。
ショウナンナデシコは牝馬のダートグレードで大活躍。一時期に比べると勢いが止まっているように見えるし牡馬相手の好走歴は不足しているが、今年はメンバーが例年より軽いので一定のチャンスがある。
テイエムサウスダンは昨年の2着馬。根岸S(14着)で大敗した馬の巻き返しというのはなかなかないのだが、昨年のように展開を味方に付ければ見せ場を作れるかもしれない。
text by 須田 鷹雄