展望
注目は二冠牝馬・スターズオンアース!越えるべき壁とは?
2023年3月28日 10:10配信
今年の大阪杯は牡馬に絶対的な存在がいないぶん、牝馬のスターズオンアースに注目が集まりそうだ。牝馬三冠こそ成らなかったがすべてのレースで33秒台の上がりを使い、決め手はかなりのものを持っている。これまでキャリア8戦で一度も馬券の対象から外れていないという安定味も魅力だ。
ただ牡馬と走るのは2歳10月の未勝利戦以来。最近は牡馬と互角に戦える牝馬が増えているので問題ないのかもしれないが、一応そこが越えるべき壁ということになる。
ジャックドールは天皇賞秋4着のあと、乗り替わりというカードを切ったが香港カップでは7着。天皇賞秋はパンサラッサの大逃げにどう対処するかが難しかったし、香港カップは他馬が強気に出て来て進め方の難しいレースとなった。阪神内回りでラップに起伏のない形になればこの馬の強みを生かせる。上がり勝負を望むスターズオンアースとは対照的な立場だ。
ヒシイグアスは昨年の宝塚記念で2着したあと、半年以上の休み明けだった中山記念で優勝。順調に使い込めないのが弱みの馬だが、走れる態勢になればやはり強い。昨年の大阪杯では4着だったが着差は僅かだったし、当時先着された馬で今回も出走するのはポタジェだけ。悲願のG1制覇も十分に可能性がある。
ジェラルディーナは母が名牝ジェンティルドンナ。本格化まで時間はかかったが昨夏以降の充実ぶりは素晴らしい。牡馬相手にG2勝ちがあるし有馬記念でも3着。本格化とともにキャラクターもやや変わってきて、いまはどちらかというと上がりのかかる競馬が得意。エリザベス女王杯勝ちが示すように道悪もこなせるので、雨が降った場合には俄然有利な立場になってくる。
ヴェルトライゼンデも能力は高い。ここまでG1では2,8,3,7,3着と勝ち切れずにいるし今回も勝ち切るイメージは湧きづらいのだが、ある程度は走ってきそう。スタミナに余裕のある馬なので、極端な消耗戦を望みたいところだ。
キラーアビリティはホープフルS勝ち馬だが3歳以降の勝ち星は中日新聞杯だけ。そこで勢いを取り戻したかったが京都記念で5着に終わってしまった。早熟というイメージはない血統なのでまだチャンスはあると思いたいが、具体的に強気になれる要素があるかというと微妙な状況でもある。
ダノンザキッドは中山記念でゲートをくぐって調教再審査。ただその前は復活の流れに乗っていた。今回は乗り替わりになるが、陣営は馬の性質をつかんでいるようなので、鞍上にそれをうまく伝えれば香港カップなみの走りも期待できる。
text by 須田 鷹雄