展望
今年の皐月賞は過去に例がないほどの混戦模様!
2023年4月11日 12:57配信
今年の皐月賞は過去に例がないほどの混戦模様。結果どころか人気も読めないほどだ。
スプリングSを勝ってきたのがベラジオオペラ。昨年の千葉サラブレッドセールで第2位の高値で取引された馬だが、その期待に十分応えている。スプリングSが重馬場だったのでファンがあまり評価しない可能性はあるが、3戦3勝と負けていない点は強みだ。スプリングS2着のホウオウビスケッツはこの世代の新種牡馬マインドユアビスケッツの産駒。こちらも1,1,2着で来ているので底を見せていない。今回も枠順次第ではこの馬がレースをリードする可能性がある。
弥生賞を勝ったのはタスティエーラ。好位を取りながらもそれなりに速い上がりタイムを出せるのが強みの馬で、スロー寄りの展開になると強みを発揮する。逆に、持続力勝負になるとやや不利。弥生賞2着のトップナイフも逃げ候補の1頭。いまどきのクラシックには珍しく既にキャリア8戦で上昇余地は限られているが、とにかく崩れないしぶとさと、ホープフルS2着という実績を持っている。
ファントムシーフは共同通信杯を勝ってきた。最近の皐月賞は共同通信杯組が強く、かつて強かった弥生賞組がそれほどでもない。それだけにこの馬は有力な存在。今年の共同通信杯はペースの緩んだ部分が少なく持続力も問われる一戦だったが、そのような適性は皐月賞でも要求されやすい。共同通信杯2着のタッチウッドはノーザンファームが北海道セレクションセールで購買した馬。生産者としてだけでなく、買う側としてもノーザンファームがその能力を見せつける1頭だ。新馬戦を派手に逃げ切ってきた馬だし、まだキャリア2戦で伸びシロも残している。
京成杯勝ちのソールオリエンスは2戦2勝。勝ってきた京成杯はあまり皐月賞に結び付いていないレースだが、この馬自身はスタミナに余裕のあるキタサンブラック産駒という印象で、皐月賞に向きそうな雰囲気はある。
フリームファクシは新馬戦2着のあと3連勝できさらぎ賞勝ち。ディアドラの半弟で内回り2000mの持続力勝負は得意そう。デビューから4戦すべて2000m戦を選んできた経験を生かしたいところだ。
ダノンタッチダウンはデイリー杯2着で朝日杯も2着。前者は上がりの速いレースで後者は上がりを要したレース。両方で好走してきたというのは桜花賞馬リバティアイランドと似た面がある。ショウナンバシットはセレクトセール2億8600万円の高馬。その期待に応えてクラシックに駒を進めてきた。安定した先行力のある馬なので、位置取りで勝負したいところだ。
text by 須田 鷹雄