展望
混沌としてきたNHKマイルC戦線!ドルチェモアの対抗馬は?
2023年5月2日 11:23配信
朝日杯FSの勝ち馬ドルチェモアがニュージーランドトロフィー(以下NZトロフィー)で7着に敗れたことにより、NHKマイルC戦線は混沌としてきた。
ドルチェモアは馬齢戦でハンデ差がないのに7着に負けたというのは正直いただけないところ。ただ権利取りのかかった馬たちほど仕上げてはいなかったかもしれないし、中山が合わなかったという可能性もある。そもそもNZトロフィーとNHKマイルCは同距離でも繋がらない面があり、前者が中山芝1600mになった2001年以降、両レースを連勝した馬はカレンブラックヒルのみ、2着したのもエイシンツルギサンのみだ。
となると、NZトロフィーを「勝ってしまった」とも言えるエエヤンがどうなるのか興味深いところ。この馬の場合は中山で3連勝した一方、その前の東京2戦は3,5着だったという問題もある。ただ、重賞を勝ったことがマイナスであるはずはないので、ジンクスを破る形で好走してくる可能性もある。
逆に、NZトロフィー3着のシャンパンカラーは新馬と特別を東京で連勝しており、再度の東京が楽しみでもある。NZトロフィー2着のウンブライルは2走大敗のあと前走で復活した形。差しが届く展開なら牡馬相手でもある程度やれそうだし、ステルヴィオの全妹という血統のポテンシャルも魅力だ。
オオパンブルマイはアーリントンC勝ちからの参戦。朝日杯では7着に敗れたがそれ以外はすべて1着。朝日杯も0.6秒差だし上がり順位3位なのでそこまで悪い内容ではない。中京の新馬、東京の京王杯2歳Sとデビューから連勝しており、左回りが得意だった場合にはファンの印象よりも走ってくる可能性がある。
ファルコンS組は2頭が出走してきたが、勝ってきたタマモブラックタイは1200mと1400mでしか好走しておらず、1600mでどこまでやれるか正直微妙なところ。反対に2着だったカルロヴェローチェは距離短縮+初距離の1400mでよく好走できたなという印象で、1600mに替わるのは良いはず。ただ先行馬なのでドルチェモアやエエヤンなど有力馬と脚質が重なり、展開利で好走する形が望みづらいという面はある。
朝日杯2着のダノンタッチダウンは距離や重馬場など事情が重なって皐月賞で18着と大敗。上がり42.2秒という信じられない大敗だった。これだけ負けると心身にダメージが残ることが心配だが、それがなければマイルに戻っての好走はもちろんありうる。
クルゼイロドスルはジュニアカップで4馬身差の圧勝。ただ当時はかなり前残り色の強い展開だった。G1になると厳しいかもしれないが、未勝利戦は道中8番手から勝っており、戦略上の選択肢は他にもある。
text by 須田 鷹雄