展望
ソールオリエンスら皐月賞が人気の中心、別路線組の評価は?/日本ダービー展望
2023年5月23日 13:26配信
ダービーで活躍しているのは、やはり皐月賞組。今年は皐月賞でインパクトのある勝ち方をしてきたソールオリエンスが人気の中心になりそうだ。
上がり最速で桜花賞を勝ってきた馬がオークスで強いのと同じように、皐月賞を上がり最速で勝ってきた馬はダービーでも強い。東京が改修された2003年以降の該当馬7頭は[5-0-0-2]で、上がり2位以下で勝ってきた馬の[1-3-2-6]に比べて勝ち切る度合いが高い。そう考えるとやはりソールオリエンスは今回も有力。ただ、皐月賞が道悪だったこと、持ちタイムの裏付けはないことについては、多少のリスク要因となる。
皐月賞2着のタスティエーラは位置取りで勝負したい馬。ある程度前で競馬ができるぶん、ソールオリエンスが差し遅れたときには有利な立場になる。東京は共同通信杯で4着と敗れているが、新馬戦はインパクトのある勝ち方だった。
皐月賞3着のファントムシーフは、タスティエーラが負けた共同通信杯の勝ち馬。ただ血統などから受ける印象はダービーというより皐月賞向きにも思われる。ただ、後ろからの競馬になった皐月賞でも3着まで伸びてきているあたりホープフルS時よりは成長が感じられるし、能力そのものが世代の中で上位であることは間違いない。
別路線組では青葉賞を勝ってきたスキルヴィングが人気になりそう。4戦3勝2着1回で底を見せていないし、上がり最速を3走続けていることにもダービーへの適性を感じる。青葉賞の内容は着差以上に強いもので、直線入り口では無理に進路を取りに行くリスクをおかさずにいったん待って外に馬を出した。権利取りのかかったレースであれだけ落ち着いた乗り方ができるということは、それだけ馬の能力に自信があったのだろう。
青葉賞2着のハーツコンチェルトは新馬戦の勝ち方がインパクト大で当時はかなり騒がれたが、その後はレース運びがうまくいかないことが続いていた。2着とはいえ権利取り・勝負駈けのレースで査定手ラインをクリアできたのは流れが変わったという意味では非常に良かった。左回りの3戦はすべて馬券に絡んでいるし、ここも人気以上の走りをすることは可能だろう。
サトノグランツは新馬戦で1番人気8着と人気を裏切ったが、その後じわじわと強さを見せてついに京都新聞杯で重賞勝ち。反応もレースごとに良くなっている。サトノダイヤモンド産駒は晩成傾向があるようにも思えるので、ここも楽しみだし秋以降どこまで成長するかというのも楽しみだ。
ドゥラエレーデはUAEダービーからここという特殊なローテで評価が難しいが、ホープフルS勝ち馬だしいまをときめくドゥラメンテ産駒だけに期待が高まる。
text by 須田 鷹雄