展望
牝馬勢が層の厚さを見せつけるか?馬場・距離はソダシに好条件
2023年5月30日 10:48配信
牝馬の登録が目立つ今年の安田記念。もともとマイル路線は牝馬が牡馬相手に好走できる傾向にあり、そのぶん層の厚いレースになりそうだ。
そんな牝馬の中でも人気を集めそうなのがソダシ。札幌記念優勝(21年)やマイルCS3着(22年)など牡馬相手の好走歴もあるし、東京芝1600mはこの馬にとってベスト条件。問題があるとしたら安田記念は差し馬が強いという傾向があること。強力な差し・追込勢に対してどこまで踏ん張れるか。
ソダシを抑えてヴィクトリアマイルに優勝したソングラインは昨年の勝ち馬だし、脚質が合うのだとしたら今年も期待は高まる。一方でこの馬は好走と凡走のコントラストがはっきりしている馬で、未勝利戦と紅梅Sは連勝だったものの、その後は勝ったレースの次走ですべて5着以下に敗れている。オープンではじめての連勝となるか注目される。
ヴィクトリアマイルでスタート直後に挟まれ消化不良の競馬となったナミュールも登録してきた。それ以前の東京戦はいずれも好内容だし、マイルのスピードにも対応できることは証明済み。2~3歳時は枠順や展開に恵まれないレースが多かったが、G1で好走するだけのポテンシャルは持っている馬だ。
ジャックドールは大阪杯で悲願のG1タイトルを手中にし、ここへ駒を進めてきた。デビューからずっと2000m戦を使われてきた馬なのでマイル戦で逃げかそれに近い競馬をできるのかどうかが全て。最初の3ハロンをいままでのレースより1秒早く通過しなければならない。また、それができたとして、前述のように差し有利の傾向があるレースなので、G1連勝への道のりは楽ではない。
シュネルマイスターは昨年の安田記念で2着したあとスランプが続いていたが、マイラーズC優勝で復活を果たした。展開も向いたし相手関係も今回よりだいぶ楽だったので完全復活なのかどうかはまだ分からないが、東京芝1600m実績は抜群の馬なので見せ場を作ってほしいところだ。
セリフォスは良馬場なら上がり3ハロン33秒前後の鋭い脚を使ってくる馬。道中で後方にいても確実に伸びてくる。自身の武器である上がりの脚を損なわない範囲で後ろすぎない位置を取れれば、アタマまで突き抜けてきてもおかしくはない。
シャンパンカラーは9番人気ながらNHKマイルCに優勝。差す競馬で勝ってきたことは安田記念で生きそう。ただ対古馬戦は楽ではないし、NHKマイルC勝ち馬はその後成績が伸びないこともある。本来は前走が目標だったのも事実なので、どれだけ状態を維持できているかも課題となるだろう。
text by 須田 鷹雄