展望
イクイノックス参戦!コース・距離で好成績のジェラルディーナも有力か
2023年6月20日 10:30配信

今年の宝塚記念はイクイノックスの参戦で俄然盛り上がってきた。レーティング世界一を争う馬だけに、その能力には疑う余地がない。
あとは宝塚記念にどれだけ合うかだ。イクイノックスの末脚が優れているのは当然なのだが、ベストの条件は東京やメイダンのようなコース。阪神の内回りはちょっと趣旨が違う。また宝塚記念はフラットなペースになって先行タイプが粘り込むことも多い。後ろすぎる位置を選ぶと、展開のせいで能力を発揮しきれないこともありうる。
ジャスティンパレスは天皇賞春を勝ってG1ホースに仲間入りした。距離があったほうがよいのは確かだが、2200mでも十分戦えるはず。神戸新聞杯や阪神大賞典のように最初から好位をとって逃げ馬にプレッシャーをかけ、なるべくスタミナが要求されて上がりタイムがかかる形に持ち込みたい。
ディープボンドもタイプとしては似ている。やや距離不足ではあるが位置を取れる強みがあり、持続力の競馬になれば出番がある。一時期勝負どころでの反応が鈍くなっていたが前走はそうでもなく、良化した印象。ジャスティンパレスが好走するような展開になったときはこの馬も上の着順になっていそうだ。
ジェラルディーナは牝馬だが、有馬記念3着など牡馬相手の好走歴もありここでも有力。宝塚記念と同距離のオールカマー、同コースのエリザベス女王杯を勝っている点もセールスポイントだ。特に参考になるのがオールカマーで、中団やや前から35秒1という遅めのタイムで上がり最速を取り勝ちきった。その内容は宝塚記念への適性を感じさせるものでもあった。後方に構える競馬も多いが、対イクイノックスということを考えたらオールカマー的な競馬をしたほうが勝機を得られるだろう。
ブレークアップは阪神大賞典3着、天皇賞春4着とまずまずの内容。ただ今回は当時先着された馬がいるし、しかも馬のタイプとしては近いので逆転のためには枠順や展開にかなり恵まれる必要がある。馬場が渋るのもこの馬にとってはプラスだろう。
アスクビクターモアは菊花賞馬だが、当時負かしたジャスティンパレスとすっかり立場が入れ替わってしまった印象。ただ先行馬総崩れのダービーでも3着に粘るなど、能力は確実にある。2~3番手を進んでしぶとく粘るというこの馬のパターンを復活させたい一戦。まずはそのために内寄りの枠がほしい。
ダノンザキッドはレースごとの結果にムラがあるが、香港カップと大阪杯は評価できる内容。2200mも守備範囲だろう。今回はこの馬と手が合う北村友一騎手に戻る予定なので、人気以上の結果が出ることも期待できる。
text by 須田 鷹雄