展望
ナムラクレアが悲願のタイトル奪取なるか 逃げ馬タイプにも期待
2023年9月26日 11:37配信
絶対的な存在が居ない今年のスプリンターズS。そのぶん初のタイトルを目指す馬にはチャンスのある一戦だ。
ナムラクレアは高松宮記念2着などこれまでのG1で好走歴豊富ながら、まだG1には手が届いていない。前哨戦に強く本番ではやや着順を下げてしまう傾向にあるが、今回は相手関係にも恵まれて悲願のタイトル奪取となってもおかしくない。差し脚質ながら道中後ろになりすぎることはないという点もこのレースには向いている。
アグリは春に阪急杯を勝ち、果敢に香港のレースにも挑戦した。香港のスプリント戦はレベルが高いのでそこで通用しなかったことは仕方ない。秋初戦のセントウルSでは勝ち馬にうまく乗られ追い込みきれなかったが、前哨戦の中でも最も重要なセントウルSで好走できたことは評価できる。
そのセントウルSはテイエムスパーダの逃げ切りだった。今年の夏競馬でブレイクした富田暁騎手が師匠・木原一良師の管理馬で素晴らしい1勝をあげた。昨年のCBC賞でも逃げ切り勝ちを決めているように、単騎でいくと怖いところがある馬。ただ今回はG1でもあり、楽に逃げさせてもらえるかどうか。
逃げ争いになりそうなのがジャスパークローネだ。CBC賞と北九州記念を連勝してここへ臨む。1着か大敗かという極端な面があるのはいかにも逃げ馬という感じだし、6勝全てが逃げ切り。ハナを譲ったら終わりなのでテイエムスパーダに対して譲ることはできない。両馬の枠順がどうなるかがまずは注目だ。
ママコチャはジャスパークローネが勝った北九州記念で2着。1200m初挑戦である程度の結果が出たし、そのぶん今回もある程度人気になりそうだ。55.5キロ(牡馬57.5キロ相当)で好走してきたので、ハンデに恵まれたわけでもない。問題があるとしたら北九州記念がスプリンターズSにあまり結びついていないことだろうか。
モズメイメイは3歳牝馬で斤量54キロという点は有利。ただこの馬も逃げたい馬なので、テイエムスパーダやジャスパークローネとの兼ね合いが問題になる。
人気はあるが結果が出ていないメイケイエールは、逃げ馬が多く前半が速くなりそうな展開を利用したい。すんなり折り合える流れになるかもしれないし、そうなると結果にも繋がるはず。今年の高松宮記念は不良馬場、安田記念は桜花賞以来の1600mだったのでノーカウントにもできる。
タイトルを持っているピクシーナイト、ナランフレグは存在感が薄れているが、今回は展開が向きそうなので復活の一撃があってもおかしくはない。
text by 須田 鷹雄