展望
リバティアイランドの牝馬三冠がかかる一戦!三冠阻止の対抗馬は?
2023年10月10日 11:26配信
京都競馬場に戻ってきた秋華賞。今年はリバティアイランドの牝馬三冠がかかる一戦ともなった。
そのリバティアイランドは前哨戦を使わず本番に直行となったが、これは最近だとむしろ王道スタイル。デキの面で心配する必要はないだろう。秋華賞は内回りコースだが差し馬が強いレースでもあり、その点でもこの馬のマイナス材料にはならない。なにかがあるとしたら極端なスローペースか極端なハイペースで、他馬と上がりタイムの差が小さくなるようなケースだろう。
春にあれだけ強かったリバティアイランドなので三冠阻止があるとしたら未対戦馬と思ってしまうが、過去の三冠阻止は桜花賞・オークスに出走していた馬が成し遂げていることが多い。そうなるとまず候補はオークス2着のハーパー。中団で競馬をすることになると思うので、そこから積極的に仕掛けてリバティアイランドの差し遅れを期待したい。
ドゥーラはクイーンSで古馬に勝利してからの参戦。3~4コーナーで捲り上げての勝利だった。秋華賞でそのあたりのラップが緩むことはなかなかないと思うが、ラップとこの馬の動きが噛み合ったら、おおいに見せ場を作ることができるだろう。
シンリョクカは桜花賞6着、オークス5着でそこだけを見ると少し足りないということになるが、サトノダイヤモンド産駒で成長余地を残している可能性がある。馬格的にも少し大きくなってきてほしいところだ。コナコーストはオークスで7着とはじめて崩れたが、距離が2000mに短縮されるここでは踏みとどまれる可能性もある。桜花賞では道中好位にいた馬なので、前での競馬をしてもよいかもしれない。
新興勢力ではやはりマスクトディーヴァが注目となる。ローズSはかなり厳しいペースで先行勢が総崩れとなり、この馬を筆頭とする差し・追い込み勢が上位を占めた。同じくらいの激しいペースになったうえでリバティアイランドより一歩早く仕掛ける形になれば、この馬にもチャンスはありそう。本来ならローズSで上がり最速の2着だったブレイディヴェーグに期待したいところだが、エリザベス女王杯に向かうということなので仕方ない。マスクトディーヴァと、ローズS3着マラキナイアの差し脚に注目するしかない。
紫苑Sは重賞に昇格してから出走メンバーのレベルが上がり、無視できないステップレースに成長した。今年の勝ち馬モリアーナは春の成績を見ると強気になれないが、精神的に成長して血統本来の適距離である2000mに適応できたと見ることもできる。この紫苑Sも差し馬有利の競馬だったので、好位から2着したヒップソウルの走りも評価できる。オークス6着馬だが、右回り・コーナー4つの競馬で自在性のある脚質を生かしたい。
text by 須田 鷹雄