展望
日本競馬の至宝イクイノックス、どのような展開でも対応可能
2023年10月24日 11:40配信
今年の天皇賞秋は登録馬が13頭と少なくなった。それだけ人気上位馬が強く、チャレンジする立場の馬からすると厳しい一戦ということだろう。
イクイノックスはレーティング世界一という日本競馬の至宝。昨年の天皇賞秋では上がり32秒7という強烈な末脚を見せたが、ドバイシーマクラシックでは逃げて圧勝、宝塚記念ではやや上がりのかかる競馬で勝利と、いろいろなパターンで勝ち続けている。強さだけでなく引き出しも多いことで、どのような展開にも対応可能。ここでもその能力をしっかりと発揮してくるはずだ。
ドウデュースは凱旋門賞が大敗、ドバイターフが出走取消と海外では散々。ただそもそもこの馬は毎日のようにプール調教をしている馬で、海外遠征、特に2走使いはもともと厳しい面がある。国内で調教して国内で出走した京都記念は勝っているわけで、今回は仕上げの面で不安はないだろう。イクイノックスと歴史に残る差し比べをしてほしい。
スターズオンアースはヴィクトリアマイルで3着に敗れたが、1,2着馬はマイルがベストなので仕方のないところ。それよりも前々走の大阪杯は好内容だった。内回りでやや上がりのかかる競馬はこの馬向きではないが、それでもハナ差の2着。同じ距離でも東京競馬場のほうが能力を発揮できるはずだ。
その大阪杯を制したジャックドールは今回も逃げることができそう。安田記念と札幌記念で負けたので今回注目度が下がっているが、安田記念は距離不足だし札幌記念は早めに捲ってくる馬がいたのが響いた。2000mではトップクラスの馬であることは間違いないし、今回は巻き返したい一戦。東京だと逃げ切りまでは難しいかもしれないが、見せ場は十分に作ってくれるはずだ。
プログノーシスは国内G1初出走だが、ここまで大敗がないこと、香港のQE2世カップで2着に好走していること、札幌記念を圧勝したことで今回はファンの支持を集めそう。イクイノックスを脅かす走りが期待される。これまで4着以下は1回しかなく、その中日新聞杯は33秒2の上がりを使って僅差の4着という内容だった。当時は18頭立て、今回は最大でも13頭なので物理的に前との差が大きくなることはありえず、差し遅れのリスクは低い。自分の脚さえ使えば優勝争いに絡んでくる可能性は高い。
ジャスティンパレスは天皇賞春を制し、まだ4歳と若いので伸びしろも期待できる。ただステイヤー色が強く2000mはやや距離不足だし、特に上がりが速くなったときに対応に苦しむ可能性がある。ダノンベルーガはG1で結果がでないが悪くない競馬はしており、今回も掲示板以上、場合によっては3着以内があってもおかしくはない。
text by 須田 鷹雄