展望
実績上位馬が優勢傾向?注目は連覇狙うセリフォス
2023年11月14日 11:40配信

マイルチャンピオンシップは、いわゆる「堅いG1」の部類。安田記念と両方を好走する馬も多く、実績上位馬が優勢の傾向にある。
その意味でまず注目すべきはやはりセリフォスだろう。今年と違って阪神での施行だったが昨年のマイルCSを制し、今年の安田記念でも2着。当時1着だったソングラインはブリーダーズカップ遠征のため今回不在で、ここは当然勝ち負けすることが要求される。差しタイプなので自分で競馬を作ることはできず前残りの展開になると厄介だが、安田記念では4~5番手と積極的なレースもできている。
シュネルマイスターもタイトルホース(21年NHKマイルC)として注目を集める1頭。前走の毎日王冠はいったん絶望的な位置に置かれたが、驚異的な差し脚で伸びてきた。ハナ差・ハナ差の3着なら前哨戦としては十分だろう。この馬の強みは京都芝1600mでマイラーズC勝ちがありコース適性を証明していること。京都競馬場の休催が長かったので、コース経験があるだけでもアドバンテージだし、好走していればなおさらだ。
ソウルラッシュはそのマイラーズCで3着、前走で京成杯オータムハンデを勝ち勢いをつけてきた。これまでG1では結果が出ていないが、今回のほうが相手関係はやや楽。いまの勢いを結果に繋げたい。
エルトンバローズは4連勝でここに臨む。毎日王冠はレース運びがうまくいった感もあるが、負かした相手がソングラインとシュネルマイスターだけに価値が高い。先行馬が残れる展開ならば大仕事の可能性もある。
ナミュールは富士Sを勝っての参戦。G2に昇格してからの富士Sは本番に繋がる度合が増しているが、この馬はG1になるとどうにも結果が出ないところがある。能力そのものはあるはずなので、前走のモレイラ→今回のムーア(予定)と外国人騎手が合うという可能性に賭けたい。
その富士Sで2着だったのがレッドモンレーヴ。とにかく速い上がりを使える馬で、33秒台前半や上がり最速を出したレースは多い。自分で競馬を作れるタイプではないので展開待ちにはなるが、武器が生きる展開になれば怖い存在だ。
ジャスティンカフェも速い上がりが武器の馬。昨年のマイルCSでは6着だったが、上がり順位は2位だった。勝ち切るところまでは厳しいかもしれないが、今年のメンバーなら掲示板以内や馬券圏内も可能だろう。
ソーヴァリアントはG1初挑戦。前走の富士Sではじめてマイル戦を使ったが3着とまずまずの走り。G1のペースに戸惑わないかがポイントになる。
text by 須田 鷹雄