展望
豪華メンバーが集結した一戦!最強イクイノックスの対抗馬は
2023年11月21日 12:07配信
今年のジャパンカップは当初想定頭数が少なかったが、それを見て登録してきた馬がいるので最終的にはフルゲートを超える登録数となった。ただ、上位争いできる馬は限られるのではないかと思う。
イクイノックスは単に強いというだけでなく、戦略の豊富さが魅力。それに加えてルメール騎手がかなり強気に乗っている。天皇賞秋で強いペースを作りそうなジャックドールに対して迷わず好位で付いていったあたりは横綱の相撲。ここもスタートなりに取れるポジションを取っていくのではないだろうか。
リバティアイランドは驚異的な強さで牝馬三冠を制覇。牡馬と走るのは新馬戦以来だが、迷わずジャパンカップを選んだあたりは2012年のジェンティルドンナを思い出させる。言うまでもなくこの馬の武器は末脚。ただオークスと秋華賞では取りこぼさないポジションで競馬をしようとしていたし、今回もイクイノックスをマークしてくる可能性がある。
タイトルホルダーは今回ペースを握ることになりそう。自分の形に持ち込んだときの強さはかなりのものだが、東京コースでそれができるかどうか。また2400mだと誰かが競りかけてくる可能性もある。イクイノックスとリバティアイランドが中団より前を取るようだと、この馬をはじめとする逃げ先行勢は苦しくなる。
ドウデュースは天皇賞秋の7着で株を下げる形になった。体形はマイラーっぽいが過去の実績は2000m超ということでどちらに行くか悩むところだが、2400mを選んできた。この馬は位置を取らずに末脚に賭けたほうが良いように思える。軽く雨が降るなどして、少し上がりタイムがかかるようになってほしいところでもある。
スターズオンアースはぎりぎり間に合った形だが、1週前追い切りの雰囲気などは悪くない。今回はかなり相手が強いが、デビュー以来すべて3着以内という安定味を生かして上位に食い込みたいところ。東京コースは確実に合うはずなので、あとはこの馬が取る戦法と展開が噛み合うかどうかだ。
ダノンベルーガもデビュー以来すべて5着以内という安定した競馬を続けているのだが、共同通信杯を勝ったあとは勝ち星に恵まれていない。今回も勝ち切るところまでは難しいかもしれないが、G1でも十分戦えるだけのポテンシャルはある。昨年のジャパンカップはゴール前の不利で消化不良の競馬になったので、今年は力を出し切りたい。
唯一の遠征馬イレジンも、安定して能力を発揮してくるタイプ。血統的に日本向けの軽さがあるかは微妙だが、複数のG1を勝っているわけで地力はある。今年は夏に競馬を使えなかったぶん、状態面の余裕もあるだろう。
text by 須田 鷹雄