展望
旧勢力と新興勢力の対決!注目レモンポップはコース適性がカギ
2023年11月28日 11:20配信
今年のチャンピオンズカップは旧勢力と新興勢力の対決、そして中京ダート1800mへの適性がテーマとなりそうだ。
レモンポップは南部杯を逃げて圧勝。後にJBCスプリントを制するイグナイターに2秒の着差をつける勝利だった。能力の絶対値については疑う余地がないが、今回はコースへの適性が問われる。1800mという距離自体初経験になるし、コーナーを4つ回る競馬もはじめて。ワンターンの1600mまでなら現役最強は確実なところだが、初づくしのこのレースで能力を発揮できるだろうか。
2021年のこのレースを制したテーオーケインズは、帝王賞3着、JBCクラシック3着からの参戦。6歳秋なのでピークを過ぎているという可能性もあるが、もともと1走おきに好走と凡走を繰り返していた馬でもある。大レースでの連続3着は悪い内容ではないし、旧勢力の意地を見せてくる可能性もある。
今年の帝王賞を制したメイショウハリオも旧勢力の大物。秋緒戦のJBCクラシックでは1番人気を4着と裏切ったが、前残りの競馬だったことに加え、砂が入れ替えられてパワーを要する馬場になっていたことも影響したように思える。中央のダートに戻ることは良いだろうし、チャンピオンズCは差し馬に向く展開になることもある。この馬も6歳だが、まだ老け込むのは早い。
新興勢力のエースと言えるのがセラフィックコール。デビューは3歳2月と遅れたが、そこから1番人気1着を5回続けてみやこSで重賞勝ち。すべてのレースで上がり最速もマークしている。G1常連と呼べる馬たちとはまだ対戦していないが、これだけインパクトの強いレースをしていれば一気に頂点に立ってもおかしくない。単純な差しだけでなく、早めに捲る競馬ができるのも強みだ。
牝馬のアイコンテーラーも新興勢力と呼んでよいだろう。デビューからずっと芝を使われていたが、3走前にBSN賞でダートを試すとあっさり勝利。ダート3戦目のJBCレディスクラシックは2着に4馬身差の圧勝だった。牡馬の一線級相手にどこまでやれるかは未知数だが、先行馬向きの展開なら好走は可能だ。
クラウンプライドは昨年の2着馬。今年はサウジ、ドバイ、大井、韓国と走って1年ぶりの中央競馬になるが、昨年好走しているというのはやはり強み。この馬も好位を取って粘り込みたいところ。ハギノアレグリアスは地力があるし相手なりに走れるタイプ。シリウスSではアイコンテーラーに1キロハンデを与えて勝利しており、今回アイコンテーラーが上位人気になりそうということを考えると、こちらも忘れてはいけない存在だ。
text by 須田 鷹雄