展望
今年は混沌!優勝や入着のチャンスがある馬はかなり多い
2023年12月5日 14:05配信
今年の阪神ジュベナイルフィリーズは混戦を通り越して混沌とでもいうべき状況。優勝や入着のチャンスがある馬はかなり多い。
ボンドガールはセールで2億3100万円(税込)という価格に見合うポテンシャルがありそうな馬。サウジアラビアロイヤルカップでは牡馬のゴンバデカーブースに負けたが、新馬戦ではアルテミスS勝ちのチェルヴィニアや京王杯2歳S勝ちのコラソンビートを負かしており、牝馬どうしの戦いならばG1でもチャンスは十分。スタミナ勝負は避けたいところで、道中も外を回らない効率的な競馬が好ましい。
※展望掲載後の12/6にボンドガールの回避が発表されました
コラソンビートは新馬戦でボンドガールに負けたが、そのあと3連勝で重賞勝ち。種付料が跳ね上がったスワーヴリチャード産駒の中でも代表産駒に近い存在だ。1400mで走れてしまっていることが逆に阪神外回り芝1600mでは心配な面があるが、距離そのものは未勝利戦でこなしている。こちらもスタミナに配慮した競馬をしたい。
サフィラはアルテミスSで2着に敗れたが、33秒4の上がりを使っても届かなかった内容で、展開が逆風だった。全兄サリオスをはじめ兄姉にオープン馬が4頭という超良血。大舞台になるとそのポテンシャルが生きてきそうだ。
ステレンボッシュは前走の赤松賞で2勝め。国枝厩舎で赤松賞といえばアパパネと同じローテだ。まだ重賞を走っていないのでどの程度やれるかは未知数だが、父エピファネイアでスタミナ面の裏付けはある。前半が速く流れて1400~1600mタイプの馬が末を欠くようだと、この馬あたりが台頭してきそうだ。
アスコリピチェーノは新馬と新潟2歳Sを連勝し、そこから直接阪神JFへ。連勝はともに上がり重視のレース、しかも数字の上でも速い上がりだったので、それに近いレースになると合いそう。阪神外回りは残り400~200mが最速ラップになることがあるが、そういう競馬だとこの馬は強みを発揮する。
ルシフェルは1800mと2000mを使われてきて、1600mは距離短縮かつ初距離。未勝利戦を捲りで勝つなど戦略の引き出しが豊富な馬だが、1600m、それもG1の流れに対応できるかどうかは課題になる。前半自然に追走できるようなら上位に食い込む可能性も。
キャットファイトは前走中山芝1600mでレコード勝ち。430キロ台の馬体でもあり軽快なスビードというイメージがあるが、血統的にはダートをこなしてもよいくらいで、本当の適性はまだ分からない。ナナオはここまで4戦4連対と安定しているが、距離延長の初距離は正直不安なところ。道悪はうまいので馬場が渋ってほしいところだが、あまり渋ると距離がさらに重荷になる可能性もある。
text by 須田 鷹雄