展望
2歳マイル王決定戦!注目はダノンマッキンリー
2023年12月14日 09:53配信
今年の朝日杯フューチュリティステークスでは、セレクトセール取引時2億4200万円の高馬、ダノンマッキンリーが注目を集めそうだ。新馬、1勝クラスと連勝したその内容はともに完勝、重賞でも通用する器であることは間違いない。1400mを2走してきたので初距離となるが、スタミナそのものは問題ないはず。リスクがあるとしたらラップ構造で、緩急のあるレースになったり、上がりが速くなったりすると苦労する可能性はある。
ジャンタルマンタルはデイリー杯2歳Sを勝っての参戦。父Palace Maliceは現役時代アメリカのダート9ハロンを中心に活躍したが、12ハロンのベルモントSを圧勝しているうえ、弟にジャスティンパレスやアイアンバローズがいる。産駒であるジャンタルマンタルはもっと長い距離も走れるはずで、2歳時にマイルの重賞を勝っているというのは能力の現れだろう。こちらは高速決着を避けたいところ。デイリー杯は稍重だったし、トータルのタイムが速いということは前半が流れている可能性が高く、そうなると好位にいるであろうこの馬にも負荷がかかる。
東京スポーツ杯2歳S勝ちのシュトラウスはマイルCSを勝ったブルーメンブラットの10番仔。兄姉もかなりの割合で勝ち上がってきたが、本格的な大物が出てきたという印象だ。大型馬だがデビュー後も一戦ごとに馬体重を増やし、成長を感じさせる。東京を3戦してきた関東馬なので遠征と右回りが課題だが、能力そのものはここでも足りる器だ。
セットアップは札幌2歳Sで逃げ切り勝ち。ここまで3走がすべて逃げなので、今回もそのスタイルは崩したくないところ。函館札幌の1800m・コーナー4つと阪神の1600m・ワンターンではだいぶ勝手が違うだろうが、今回は是が非でも逃げたいという馬が他にいない。まずはハナへ行って、自分の競馬に持ち込みたい。
エコロヴァルツも距離短縮と、ワンターンへの対応がテーマになる馬。タイムはある程度かかってくれたほうがよい。強さで制圧するタイプというよりは競馬センスの良さで勝負する馬だと思うので、多頭数の混戦で苦労する馬もいる中、好位からスマートな競走をして好走に繋げたい。
エンヤラヴフェイスはデイリー杯でジャンタルマンタルに2馬身差をつけられているので強気なことは言いづらいが、上位に食い込むだけの地力はある馬。上がり勝負になると苦しいので、内寄りの枠を引いて、前半ある程度位置を取っていきたい。
アスクワンタイムは今回4頭しかいない重賞勝ち馬の1頭だが、1400mで大敗したあとに1600mへの延長はいかにもきつい。血統そのものに距離の限界があるというわけではないので、道中しっかり折り合ってスタミナのロスを避けたい。
text by 須田 鷹雄