展望
充実の顔ぶれ!注目は引退戦のタイトルホルダー
2023年12月19日 14:02配信
今年の有馬記念はG1馬が実に9頭という豪華メンバー。イクイノックスは引退してしまったが、それでも十分に充実した顔ぶれと言えよう。
メンバー中最多のG1・3勝をほこるタイトルホルダーはここが引退戦。ジャパンカップでは5着だったがパンサラッサにハナを譲ったレースだったし、そもそも東京は向いているとは思えない。中山へのコース替わり、特にコーナー6つの2500mだと展開利を得ることは可能。まずは逃げやすいように、真ん中から内の枠を引きたい。
ジャパンカップ組で当時最先着なのがスターズオンアース。17番枠から積極的に位置を取り、道中ではリバティアイランドの進路を塞ごうとする立ち回りを見せて負荷のかかる競馬だったと思うが、それでも3着に粘ったのは地力の証明か。こちらは東京のほうが向いているように見えるが、以前より前に行けるようになったぶん中山に対応できる可能性もある。
天皇賞秋組ではジャスティンパレスが当時の最先着馬ということになる。相手がイクイノックスなので2着に敗れたのは仕方ないところで、むしろ33秒7と速い上がりを使って新しい面を見せたことを評価したい。昨年の有馬記念では道中3~4番手から7着だったが、前走や宝塚記念を見ると、脚を溜めたほうが良い結果に繋がりそうだ。
今年の有馬記念を盛り上げているのが3歳馬の存在。菊花賞馬ドゥレッツァは不在だが、当時2着かつダービー馬のタスティエーラが登録してきた。ダービー馬だが中山での勝ち星(弥生賞)もあるし、自在性としぶとい脚で勝負するあたりはむしろ中山のほうが向く可能性すらある。
ソールオリエンスは三冠を1,2,3着と好走した。皐月賞は驚くような位置からの追い込みで勝ったが、やはりあそこまで極端な競馬というのはそうそう決まるものではなく、脚質的に2,3着になりがちなのは仕方ないところ。タイトルホルダーを巡って道中の動きが早くなると、最後にこの馬へチャンスが巡ってくる可能性はある。
ドウデュースはドバイ取消後が冴えないが、そこまで極端に負けているわけではない。復帰した武豊騎手との再コンビでどこまで良さが出るか。
シャフリヤールは香港を主催者の獣医師判断で取消となったが、陣営としては不服だったようで、心臓に深刻な問題があるわけではない。本来の目標から2週間後、かつ変則的な調整になることがどう影響するかのほうがファクターとしては大きい。
スルーセブンシーズは凱旋門賞でも良いところを見せた。スローで団子状態になると、一瞬の脚があるこの馬も上位争いに加わってくる。
text by 須田 鷹雄