展望
23年を締めくくる大一番!人気はシンエンペラーか
2023年12月25日 10:56配信

今年のホープフルSで人気を集めそうなのが、シンエンペラー。仏ダービーや凱旋門賞を勝ったソットサスの全弟という超良血馬だ。ここまで2戦2勝、前走では京都2歳Sで重賞を勝ってきた。2戦2勝だから文句のつけようがないが、京都2歳Sはレースの上がりが35秒台というレース。今回も同様に上がりのかかる競馬になればよいが、展開が逆風になるとまだ分からない面がある。
ゴンバデカーブースも2戦2勝で前走サウジアラビアロイヤルC勝ち。マイル戦で2連勝なので朝日杯FSに回ってもよさそうなものだが、こちらを選んだということは距離延長への自信があるということなのだろう。東京で2勝してきた馬なので距離だけでなく中山替わりも克服する必要のある課題。ただ母アッフィラートも中山は得意だったし、距離ともどもこなしてくれそうな雰囲気はある。
初年度産駒が絶好調のスワーヴリチャードが送り込む好素材がレガレイラ。前走のアイビーSでは3着だったが、上がり最速タイの32秒7を繰り出しても届かない競馬だったので仕方がない面はある。函館芝1800mの新馬戦を勝った馬だし、コーナー4つのコースに替わるのは歓迎。距離の1ハロン延長も血統からするとむしろ歓迎だ。
ヴェロキラプトルもスワーヴリチャード産駒。新馬・野路菊Sと連勝してここへ臨む。新馬戦で負かした馬からは既に6頭が勝ち上がっており、レベルの高いレースを勝ち上がってきたというのは推せるポイントだ。センスの良い馬という印象なので、多頭数の中、ポジション取りで勝負したい。
センチュリボンドは2000m戦を3回使われて3,1,1着。すべて先頭か2番手でレースを進めてきた。キャリア3戦でもあるし距離も含めた経験値は強み。ただ血統的にはダートをこなしてもおかしくないようなタイプで、トータルのタイムが速くなったり上がりタイムが速くなると対応に手間取る可能性はある。
ショウナンラプンタは東スポ杯2歳Sで4着だったが、上がり33秒9はメンバー中最速だった。デビュー戦も7頭立ての4番手から勝っており、若いわりに大人びた競馬ができるというか、完成度が高いという印象。今回はフルゲートが予想され多頭数ゆえの混戦になりそうなので、自身の長所を生かしたい。
ミスタージーティーはタッチングスピーチ、サトノルークスなどの半弟。阪神JFを制したアスコリピチェーノのおじにあたる。この血統はややスタミナ色が強くキレというよりは持続力のイメージだったが、新馬戦では速い上がりの競馬を差し切ってみせた。1戦1勝だけに隠し持った才能がありそうでもある。
text by 須田 鷹雄