展望
絶対王者がいない高松宮記念!バラエティに富んだレースに
2024年3月19日 12:16配信
今年の高松宮記念は絶対王者がいない一方で海外からの遠征馬がおり、バラエティに富んだ、競馬ファンにとって楽しみやすいレースになりそうだ。
スプリントG1のタイトルを既に持っているのがママコチャ。1200mはやや短いかと思われていたが、昨秋のスプリンターズSを制覇。そのあと阪神カップでは5着と敗れたが、着差は0.2秒なので大敗ではない。安定した位置取りを生かすタイプなので、逃げ先行馬の多い今回どんな位置を取れるかがポイントになるだろう。
ナムラクレアはスプリンターズSで3着、昨年の高松宮記念で2着。地力と安定味では今回のメンバー中でもトップクラスの存在だ。今回は休み明けの京都牝馬S2着と悪くない流れで本番に向かうが、これまでは前哨戦より本番で少し着順を落とす傾向があるので、その点を克服できるかが鍵となる。
トウシンマカオはスタートや二の脚が安定して充実期に差し掛かっている印象がある。オーシャンSでも外枠を克服したし、ここ2走は短距離重賞ながらきっちり着差をつけて勝っている。昨年の高松宮記念は不良馬場もあって15着と大敗したが、今年は勢いを生かして一気に頂点まで上り詰めたいところだ。
ルガルはシルクロードSを勝っての参戦。高松宮記念に繋がる前哨戦はいくつかあるが、最近ではシルクロードSがいちばん本番に繋がっている。57.5キロとある程度ハンデを背負って買ってきたし、先行でも差しに回っても好走できる自在性は魅力。G1はこれが初出走だが、一気にタイトルを獲得する可能性まである。
ウインマーベルは一昨年のスプリンターズSで2着。ここ2走は1400mの重賞を連勝しておりベスト距離が以前より変化している可能性はあるが、G1好走歴のある馬ということで今回も一定のチャンスはある。今回のメンバーだと差しに回る可能性が高いので、前が止まるような展開になってほしいところだ。
マッドクールは昨年のスプリンターズSでハナ差の2着。着差が示すように勝ちに等しい2着だった。香港スプリントでは8着に敗れたが、日本調教間にとっては厳しいレースなのでそれは仕方がないところ。スプリンターズSでそれ以前よりやや後ろからの競馬に成功したことは今回生きてきそうだ。
ビクターザウィナーは香港のスプリント界でいうと横綱まではいかず大関か関脇といったところだが、現地のG1勝ちもあるし、自分の形に持ち込んだときの強さがある。逃げたときにはとにかくしぶといが、今回は日本側にも何頭か逃げそうな馬がいるので、展開によってこの馬の結果が大きく変わってきそうだ。
text by 須田 鷹雄