展望
今年の桜花賞は阪神JFからの2頭とトライアル組の対決という構図
2024年4月2日 12:43配信
今年の桜花賞は、阪神JFから直接来る2頭と年明けに優先出走権や収得賞金を確保した馬たちの対決という構図になりそうだ。
阪神JF勝ち馬のアスコリピチェーノはここまで3戦3勝。いずれも上がり3ハロン33秒台の脚を使っており、瞬発力勝負に強い馬だ。ダイワメジャー産駒なので完成は早く3歳になって以降の伸びしろというのは限定的だろうが、もともと持っている能力で勝ち切れる可能性はある。オークスというタイプではないのでここでクラシックを勝ちたいところでもある。
阪神JF2着のステレンボッシュはここまで4戦してパーフェクト連対を維持している。脚質に自在性があるし、持続力型の競馬にも瞬発力型の競馬にも対応できる、とにかく守備範囲の広い馬だ。血統的には成長の余地も残していそうでもある。
この2頭に挑むトライアル組は、どの馬が好走してくるのか読みづらい。チューリップ賞は5,9,15番人気という波乱の決着で、上位に入った馬も続けての好走が期待できるのか微妙なところだ。チューリップ賞を勝ったスウィープフィートは阪神JFで7着。その差を逆転するのは簡単ではないが、時計のかかる馬場になるなど上位人気馬が嫌がる条件になったときには出番があるかもしれない。
フィリーズレビューはエトウプレが逃げ切ったが、今回は距離延長で初距離の一戦になる。マイル戦を走れない馬ではないと思うが今回は相手関係が強化される。よほど上手く逃げないと粘れないのでとにかくペース・展開が鍵になる。
フィリーズレビュー組では2着だったコラソンビートが堅実な走りを続けている。阪神JFでも3着だったし、ここまでキャリア6戦すべて3着以内。レコード勝ちの経験があってスピード能力も十分。この世代が初年度産駒のスワーヴリチャードは一気に種付料が上がって種牡馬として大人気だが、この馬の結果次第ではさらに人気になりそうだ。
別路線組で不気味な存在がクイーンカップ勝ちのクイーンズウォーク。2,1,1着で前走初重賞制覇を果たしたが、キャリア3戦はすべて33秒台で上がり最速。阪神外回りコースで威力を発揮しそうな差し脚を持っている。
フェアリーS勝ちのイフェイオンもそこからの直行を選択した。キレや瞬発力よりは持続力で勝負するタイプだが、ある程度位置を取ってからしぶとく粘ることのできる馬。スタミナ色の強い展開になったときに台頭がある。2歳10月のアルテミスS以来となるチェルヴィニアはとにかく状態がカギ。アルテミスSのメンバーレベルはある程度高かったので、そこを完勝してきたこの馬はやはり地力がある。
text by 須田 鷹雄