展望
今年の皐月賞は人気さえ読めない大混戦!
2024年4月9日 13:30配信
今年の皐月賞は大混戦。結果以前に人気がどうなるのかさえ読めない状況だ。
朝日杯フューチュリティSの勝ち馬ジャンタルマンタルは、年明け共同通信杯を使って2着。道中はずっとスローで上がりが11.4秒→10.9秒→10.8秒とゴールまで加速していく特殊なレースになり、そのぶん勝ち馬を捕まえきれなかった。もともと極端な上がりを使えない馬ではあるが、皐月賞はむしろそういう馬が活躍するレース。マイルG1の勝ち馬だが父パレスマリスは12ハロンのベルモントSを勝っており、2000mへの距離延長は問題ないのではないかと思う。
共同通信杯で同馬を負かしたジャスティンミラノはこれで2戦2勝だが、新馬戦も超スローで上がりだけの勝負だった。負けていないというのは無限の可能性があるとも解釈できるが、超スローしか経験していないというのが皐月賞でどう影響するか。フルゲートで前半が流れる競馬になるので、それに対応できるかが鍵となる。
レガレイラは牝馬ながらホープフルSを制し、ぷっつけ本番で皐月賞に向かってきた。皐月賞に挑戦した牝馬というと17年のファンディーナを思い出すが、あの時は牡馬相手の重賞がはじめて。レガレイラは経験し勝ってきているぶん勝利の可能性もあるだろう。この馬もジャンタルマンタルと同様、ある程度上がりタイムがかかったほうがよい。
弥生賞は6,3,9番人気での決着となった。勝ったコスモキュランダは父がこのレースで穴をあけたアルアイン。この馬も見くびられている面があるが、捲りを打てることが分かったので戦略の幅は広がった。侮れない存在だ。
弥生賞組では2着だったシンエンペラーが地力という面では強そう。勝負どころでエンジンがかかるまで時間を要する面がありそれがホープフルSに続く惜敗に繋がっているが、いったん伸び始めるとバテ知らずでどんどん伸びてくる。皐月賞ではいかに進路をうまくとって、ブレーキを踏むことなく差し脚を伸ばせるかだろう。
スプリングSはシックスペンスが制したが、皐月賞は回避してダービーを目指すことになった。2着アレグロブリランテは逃げ粘っての好走。キャリアを通じて逃げか先行の馬なので、今回は内枠を引いて位置を主張していきたいところだ。
混戦の年なので、例年とは違う臨戦過程の馬が結果を出してくることもありうる。京成杯を制したダノンデサイルは1歳セール当時から馬体の良さが目立っていた馬。雨が降るなどして時計のかかる馬場になるとそれが向く馬だ。逆にビザンチンドリームは新馬戦もきさらぎ賞も上がり最速・33秒台で勝ってきた。有力馬でいうとジャスティンミラノと似たグループだと言えるだろう。
text by 須田 鷹雄