展望
菊花賞馬ドゥレッツァら長距離路線の実力者が激突
2024年4月23日 14:00配信
ドバイ遠征馬がいるぶん、大阪杯と天皇賞春はややメンバーが手薄になった感もあるが、4歳馬の参戦があったことで格式を保てた印象だ。
ドゥレッツァは昨年の菊花賞馬。前走の金鯱賞で2着に敗れたもののキャリア7戦すべてで馬券に絡んでおり、今回も乗り替わりなどのリスクがあるとはいえ、かなりの確率で上位争いをしてくるだろう。脚質に自在性がある点も強みだ。血統だけを見ると中距離馬のようにも思えるが、いまの時代の菊花賞や天皇賞春はスタミナ自慢が活躍するというよりも、2000~2400mタイプの強い馬が地力にモノを言わせることのほうが多い。
タスティエーラはあくまで状態を見ながら出否を決めるとのことだが、出走する場合にはモレイラ騎手を用意しており出走してくればもちろん有力な存在になる。大阪杯は負けすぎの印象があるが、有馬記念は枠順や不利が響いたもので許容範囲内。上の世代と戦えないということはない。菊花賞はドゥレッツァのレース運びが上手かった面もあったので、今回は道中同馬と近い位置で進めたいところだ。
5歳以上馬ではテーオーロイヤルが阪神大賞典を勝ってはずみをつけてきた。その前に出走していたステイヤーズSやダイヤモンドSはのちのG1に繋がりにくい重賞だが、阪神大賞典を勝ってきたとなると信用せざるをえない。一昨年の天皇賞春では3着だったが当時は阪神開催。本来の京都に戻って速い上がりタイムの決着になるようだとこの馬の強みが生きてくる。
サリエラはダイヤモンドSでテーオーロイヤルにクビ差の2着。ただ当時はハンデ差が1キロ(サリエラは牝馬なので額面では3キロ)あったし、他に4歳勢がいることも考えると、ここで勝ち切ることは容易ではない。ただ前走で長距離ならばある程度前で競馬ができることも分かったし、内枠でも引いて積極的な競馬をしてくれば侮れない存在だ。
ディープボンドはこのレースで3年連続の3着。7歳になったことやここ3走の大敗を考えると4年連続を望むのは酷かもしれないが、とにかく長距離には強いので激走があってもおかしくない。鞍上からゴーサインが出たときに瞬時に反応できるかが鍵だ。
シルヴァーソニックは昨年の3着馬。阪神大賞典では11着だったが1年近い休み明けということを考えると仕方のないところ。状態面では確実に上積みがあるはずだし、いまどき珍しい「筋金入りのステイヤー」の意地を見せたい。
ブローザホーンは距離こそ未知数だがG2レベルでは能力を見せているし京都との相性も良い。チャックネイトも距離の問題はあるが、相手なりに走れるタイプなのと自在性のある脚質でファンの評価以上に走れる可能性はある。
text by 須田 鷹雄