展望
フルゲート割れのヴィクトリアM!多くの馬に上位食い込みのチャンスあり
2024年5月7日 13:12配信
登録段階で15頭立てとフルゲート割れが確定。絶対的な存在がいるという感じでもなく、出走馬の多くに上位食い込みのチャンスがある。
中心になる馬を1頭指名するならナミュールだろう。昨秋のマイルCSでは代打騎乗の藤岡康太騎手が完璧なエスコートでGI初優勝。その後香港マイル3着、ドバイターフ2着と世界レベルで牡馬を相手に好走してきた。速い上がりを武器に追い込むタイプなので東京コースは向いている。昨年のこのレースでは2番人気を7着と裏切っているが、当時といまとでは充実度が違う。
もう1頭のGI馬が一昨年の秋華賞馬スタニングローズ。そのあとは馬券に絡めないレースが4レース続いているが、着差としてはそこまでひどくないところに来ている。昨年のこのレースでは12着と大敗しているしマイルはやや短い感はあるが、GI馬の底力を見せてほしいところだ。
昨年の秋華賞で2着だったマスクトディーヴァも参戦する。距離短縮ではじめてマイル戦を使った東京新聞杯では1番人気を6着と裏切ったが、阪神牝馬Sではしっかり人気に応えて優勝した。マイル戦の流れに慣れただろうし、前走で11頭立て4番手という好位から競馬ができたのも収穫。ローズSをレコード勝ちした馬だし、時計への対応力もあって速いタイムの決着は歓迎だ。
その阪神牝馬Sで半馬身差の2着だったのがウンブライル。連対か掲示板外かという極端な競馬が続いているが、連対した5戦はすべて上がり最速をマーク。前走のようにレース全体の上がりが速いと自身のアドバンテージが失われるが、馬ごとの上がりタイムに差がつく展開だと強みを発揮する。
阪神牝馬S3着のモリアーナも参戦。こちらは昨年のNHKマイルC以降差し・追い込みの色彩を強めており、展開待ちの面はある。ただ逆に、前崩れの展開になると一気に浮上するタイプ。東京芝1600mは新馬勝ちに加えてクイーンCでクビ・ハナ差の3着やNHKマイルCで牡馬相手の6着など、相性はまずまずだ。
モリアーナが3着だったクイーンCの勝ち馬がハーパー。ここ2走は有馬記念、大阪杯と番組選択が強気すぎて大敗したが、牝馬同士の一戦ならある程度はやれそう。オークスで2着しているがマイルも十分走れる馬だ。
コンクシェルは準オープンと中山牝馬Sを連勝しての参戦。ただ中山牝馬Sは53キロと軽めのハンデで勝ったレースでもあるし、逃げて展開に恵まれた。今回は今後も牝馬重賞で上位争いをしていけそうか、試金石となる一戦だ。
text by 須田 鷹雄