展望
ジャスティンミラノが無敗の二冠成るか?
2024年5月21日 12:49配信
![](/keiba/img/column/2024052605021211/img_2024052605021211_1.jpg)
ジャスティンミラノが無敗の二冠成るか、というところが注目の日本ダービー。そのジャスティンミラノはレコードが出るような速い流れを4~5番手で追走して勝ち切ってみせた。対照的に共同通信杯では超スローの上がり勝負を制しており、単純に能力が高いという可能性がある。あとは2400mでどうか。こればかりはやってみないと分からない面がある。
コスモキュランダは道中の位置取りを考えると皐月賞ではかなりよく走っている。故・岡田繁幸さんが悲願としていた日本ダービー制覇をビッグレッドファームが成し遂げるところを見たいという競馬ファンも多いだろう。東京に代わってさらに距離延長は正直条件替わりとしてはプラスではないが、豊富なキャリアを生かして頑張ってほしいところだ。
レガレイラは牝馬ながらホープフルSを制し、皐月賞でも1番人気に推された。結果は6着だったが上がり33.9秒はメンバー中最速タイ。皐月賞で上がり上位をマークしながら敗れた馬がダービーで復活してきたケースは過去に何頭かある。上がり3位だったアーバンシックともども、東京替わりで前進を期待したくなる素材だ。
シンエンペラーは2019年のフランスダービー馬・ソットサスの全弟という良血馬。ホープフルS以降2,2,5着と勝ち星に恵まれていないが、能力そのものは高い。昔ながらの言い方だと「ナタの切れ味」のタイプで、反応が遅いため瞬間的に鋭い脚を使うことはできないが、どんどん加速してくる馬ではある。前半がスローでいきなりペースが上がるような内容だと厳しいが、消耗戦になれば出番がありそうだ。
青葉賞勝ちのシュガークンはキタサンブラックの半弟で血統面から人気のある1頭。距離は2400mが合うようだし、脚質に自在性もある。青葉賞が重賞に昇格した1994年以降の通算でも、前走青葉賞組は[0-6-6-67]と勝ち馬を出せておらず、2012年のフェノーメノを最後に2着もない。ダノンエアズロックが勝ってきたプリンシパルSも、レースが設定された1996年以降同レースを使ってきた馬は[0-1-4-40]。もし勝ち負けに絡めば歴史的快挙となるが、皐月賞上位馬がかなり出走してきているだけに今年の環境は厳しい。
別路線組ということでは京都新聞杯が過去にはダービー優勝馬を出しているが、今年の勝ち馬ジューンテイクは8番人気で勝ってきた馬。よほど展開がハマらない限り厳しい一戦になりそうだ。
別路線組で一発大駈けがあるとしたらシックスペンスかもしれない。皐月賞は自重したが、スプリングSまで無敗の3連勝。東京ははじめてとなるが、決め脚はある馬。国枝厩舎にとって悲願のタイトルとなる日本ダービーを引き寄せたい。
text by 須田 鷹雄