展望
今年の安田記念の注目は香港からの遠征馬!
2024年5月28日 12:48配信
今年の安田記念には香港からの遠征馬が2頭やってきた。まずはその2頭からご紹介しよう。
ロマンチックウォリアーは香港のみならず、世界最強の中距離馬と呼んでもよいほどの馬。昨年はオーストラリアに遠征してコックスプレートを制しており、日本程度の距離なら遠征も問題ない。マイル戦は2023年1月にスチュワーズカップというレースに出走し、2着。ただ勝ち馬は香港の歴史的マイラーであるゴールデンシクスティだったので、マイル戦が良いとも悪いとも評価しかねる状況だ。とにかく「強さ」では間違いなく今回のメンバー中ナンバーワン。あとは速いタイムになったときの適性と、香港基準ではシーズン終盤なのでデキがどれだけ残っているかだろう。
ヴォイッジバブルは今年のスチュワーズカップを勝っていて、完全なマイラータイプ。ただ格で言えばロマンチックウォリアーとはだいぶ差があり、かつ大レース勝ちは1回だけ。香港はマイル路瀬もレベルが高いが、近年は昔ほど日本で通用していない。今回は日本馬の層がやや薄いので、そこを突いてどれだけやれるか。
日本馬で人気になるのはソウルラッシュだろうか。昨年のマイルCSで2着。マイルG1は安田記念かマイルCSかを問わず同じ馬たちが複数回好走することが多い。安田記念は昨年9着、一昨年13着と相性が悪いが、一昨年の富士Sで2着しておりコースが全く駄目ということではない。
セリフォスは一昨年のマイルCS勝ち馬。昨年の安田記念では2着している。本来ならここで主役になってもよい馬だが、昨秋の結果が良くなかった。早熟だったのかと心配になる面はあるが、前走はマイラーズC2着でやや復活の兆しはある。かつての力を出せればここでも上位争いができるはずだ。
ナミュールは昨年のマイルCSでG1初制覇。香港マイル3着、ドバイターフ2着と高いレベルで好走を続けていた。ヴィクトリアマイルでは8着と敗れたが、これは完全に展開によるもの。自分で競馬を作れるタイプではないので今回も前残りだと苦しいが、差しが届く展開ならばしっかり伸びてくるはずだ。
パラレルヴィジョンは脚質的には好位置を取れるタイプなので、それを生かした競馬をしたいところ。まだハンデG3を勝ったばかりなのでこのレベルで通用するかは分からないが、いまの勢いを生かしたい。フィアスプライドはヴィクトリアマイル2着。こちらも格の面ではまだ評価しきれないところがあるが、東京コースとは相性の良い馬なのでそれを生かして結果を残したいところだ。
text by 須田 鷹雄