展望
巻き返しが少ない菊花賞、勢いのある馬が有利!
2024年10月15日 13:30配信
菊花賞は前走で大敗した馬の巻き返しが少ないレースで、過去10年を見ても前走4着以下の馬はかなり苦戦している。勢いのある馬が有利だと考えてよい。
注目されるのはなんといってもダービー馬・ダノンデサイルだろう。菊花賞ぶっつけ本番という使い方は該当例が少ないのだが、最近ではタスティエーラが2着としているし、古いところではサクラスターオーが皐月賞以来の競馬で勝っている。エピファネイア産駒なので、折り合いさえつけば距離はこなせるはず。横山典弘騎手は当代きっての長距離名人でもある。異例のローテで二冠奪取を期待したいところだ。
神戸新聞杯勝ちのメイショウタバルは、おそらく今回も逃げるだろう。3000mを逃げ切るというのは容易でないが、悔いの残らないラップを刻める立場ではある。本質的な長距離馬ではないように思うが父も菊花賞を勝っているわけだし、距離を言い訳にする負け方はしないはず。道悪は得意なので、雨が降ると有利になる。枠順は、逃げることを考えるとやはり内枠が欲しい。
神戸新聞杯3着のショウナンラプンタは2400mがベストかもしれないが、3000mも守備範囲。溜めれば33秒台の上がりを使える馬なので、そういう展開になるかどうかだ。消耗戦になるとちょっとしんどいが、スローで流れて上がり特化のような競馬になれば直線浮上してくる可能性がある。
セントライト記念組は1~3着馬が揃って登録してきた。アーバンシックは一時回避の話もあったが、使ってくる以上は一定の仕上がりにあるはず。ダービーは追い込み馬にとって全く出番のない展開だったので大敗もやむなしというところ。母方には京都に合いそうな血統のエッセンスがあるので、それを生かして好走したい。
コスモキュランダは血統の字面だけを見ると長距離歓迎というわけでもないのだが、陣営は距離延長に自信を持っている。皐月賞2着馬のわりにあまり人気はなさそうだが、その地力は侮れない。捲り気味に位置を上げられる馬なので、その武器を生かしたい。長丁場はどこかでペースが緩むので、その隙をついた捲りが機能すれば上位争いに食い込める。
エコロヴァルツは逃げ馬の後ろあたりでじっと脚を溜めたい。距離には正直不安があるので、道中の消耗を避けるためにも折り合いが第一だ。前で競馬を進めれば、直線平坦の京都コースでは人気以上に走れる可能性がある。
前走条件戦組は昔に比べて好走が難しくなっているが、昨年のドゥレッツァのように前走準オープン組ならチャンスはありそう。シュバルツクーゲルとヘデントールが登録しているが、成績に疵が少ないということでは後者がより有力か。
text by 須田 鷹雄