展望
今年の天皇賞秋を分析!絶対的存在なしで情勢は混沌
2024年10月22日 12:00配信
イクイノックスやアーモンドアイのような絶対的存在がいるわけではない今年の天皇賞秋。皐月賞馬ジャスティンミラノが離脱したことで、さらに情勢は混沌としてきている。
人気を集めるのはリバティアイランドだろうか。3歳牝馬三冠は完璧な内容。その後ジャパンカップ2着、ドバイシーマクラシック3着と勝ち切れなかったが、一線級の牡馬を相手に十分やれることは示した。距離は2000mがベストの可能性もあるし、位置を取りに行く競馬もできるし末脚に賭けることもできる。あとは自身がどれだけ成長しているか。古牡馬との斤量差が小さくなっているので、そこは課題になる。
ドウデュースは宝塚記念で1番人気を6着と裏切ったが、ハーツクライ産駒の一部が苦手とする京都コース、しかも重馬場では仕方ない面があった。今回は条件面で前走より下ということはないだろうが、天皇賞秋は昨年7着と大敗している。緩むラップがなく全体のタイムが速くなると苦しく、緩急のあるレースになったほうがこの馬には向く。
レーベンスティールはまだG1タイトルが無い、というか国内のG1に挑むのは初めてだが、重賞を連勝している勢いは評価できる。距離はもう少しあってもよいが2000mで足りないということはない。新馬戦で33秒2、1勝クラスで33秒0という速い上がりを使っているが、これは天皇賞秋では武器になる。ある程度の位置につけてスローペースになるとこの馬の長所が生きるだろう。
ベラジオオペラは春に大阪杯を制覇。同距離のG1を勝ったわりにファンの評価が高まっていないように思うが、自在性と崩れにくい点は今回のメンバー中でもトップレベル。宝塚記念は外差しの馬に屈しての3着だったが、十分に良い内容。今回は差しタイプの有力馬が多いだけに、好位につけてしぶとく残すような競馬をしてもよいかと思う。
ソールオリエンスは宝塚記念で久々の好走。やはり道悪には強いところを見せた。良馬場の2000mだと苦戦する可能性はあるが、もともと皐月賞馬にしてダービー2着馬。有馬記念あたりでの完全復活を目指すためにも、ここで一定以上の競馬をしたいところだ。
ジャスティンパレスは昨年の2着馬。ステイヤーかと思わせておいて、この距離でも好走してみせた。当時の上がり33秒7はメンバー中最速。今年も脚を溜めていっての決め脚勝負に出るだろう。有馬記念以降4,4,10着と結果が出ていないが、まだ5歳秋で老け込む年齢ではない。
タスティエーラは昨年の有馬記念以降良いところがなく、ダノンベルーガもかつてファンが期待したほどには走れていない。ただ2000mという距離はベストに近い。G1実績馬だけに、展開が向けばある程度の復活があっても不思議ではない。
text by 須田 鷹雄