展望
過去の実績か?最近の勢いか?エリザベス女王杯を分析!
2024年11月5日 12:00配信
今年のエリザベス女王杯は登録馬のうち前走でオープンを勝った馬が2頭のみ、2着も1頭のみ。予想するファンは過去の実績をとるか最近の勢いを取るか考えることになる。
人気を集めるのは3歳馬のレガレイラだろう。2歳時は牡馬を相手にホープフルSを制し、皐月賞・ダービーでもそれなりの健闘を見せた。ローズSでは当然1番人気に推されたが、33秒1の末脚を使っても5着までしか届かないという展開に屈することとなった。速い上がりを使えるが最後方に近い位置になってしまうというのがこの馬の難しいところ。当日外差しがきく馬場になっているかどうかがポイントになりそうだ。
前走を勝ってきた馬の1頭が新潟牝馬S勝ちのホールネス。キャリア6戦、すべて3着以内と成績に疵が無い点は魅力だ。ただ新潟牝馬Sの勝ち馬がG1レベルで馬券に絡んだケースが過去にないのと、これまでにマークした上がりの最速が34秒3、勝ったレースに限ると34秒6と極端に速い上がりは使っていない。道悪になったときなどは強みを発揮しそうだが、道中後方になったうえにスローペースだと苦しくなる。
スタニングローズは一昨年の秋華賞馬。しかしそのあと6戦は勝てないどころか馬券にも絡んでいない。重馬場で行われた一昨年のエリザベス女王杯を14着と大敗したところから馬がおかしくなってしまった感もある。格上的存在ではあるのだが、牝馬というのはいったん負けが込むと立ち直れないことがある。他馬より強い・弱いという問題より、自身との戦いがメインテーマだろう。
シンリョクカは新潟記念でデビュー戦以来の勝利。この馬も一時期はスランプに陥っていたが、見事に立ち直ってみせた。デビュー2戦目の阪神JFで2着した馬だが、サトノダイヤモンド産駒は晩成の傾向もあるし、今後この馬の第2章が展開される可能性もある。今回は差しタイプの上位人気馬が多いので、前走のように前で競馬を進めたい。
シランケドはデビュー戦を除くとすべて3着以内と安定した馬。逃げも追い込みも経験していて、脚質に自在性もある。あとは前走準オープンからG1でいきなりどこまで通用するか。エリザベス女王杯が古馬に開放された1996年以降、前走準オープン組は[0-0-0-40]。2勝クラスから馬券に絡んだ例が2例あるが2,3着で、過去の優勝馬はすべて前走で重賞に出走していた。
ラヴェルは新馬・重賞を連勝した馬だがそれ以降2年間すべて4着以下。ハーパーは昨年の3着馬だがそれ以降が9,13,15,15着。サリエラは今年のダイヤモンドSで2着したがその後2戦がともに12着。今年は過去に活躍したが近走内容が良くないという馬が多く、大混戦というかちょっとカオスな状況のエリザベス女王杯である。
text by 須田 鷹雄