展望
今年のマイルCSはバラエティに富んだメンバー!
2024年11月12日 12:00配信
今年のマイルCSは海外からの参戦あり、中距離から来たG1馬ありで、バラエティに富んだメンバーとなった。マイル路線を来た馬たちがどう対抗するか注目だ。
人気を集めそうなのは、これまで中距離路線を走ってきたブレイディヴェーグ。昨年のエリザベス女王杯勝ち馬で、府中牝馬Sを1年近い休み明けで勝つなど、やはり能力は高い。問題があるとしたら距離。これまでは1800m以上しか経験しておらず、今回は距離短縮で初距離。中距離では32秒台の上がりタイムもマークする、いわゆる「キレる」馬だが、前半が速く緩急のないペースの1600mでも同じ脚が使えるかどうかがポイントだ。
ナミュールは昨年の勝ち馬。その後も香港マイル3着、ドバイターフ2着、安田記念2着と高いレベルで活躍している。追い込みタイプなので展開には左右されるし、馬場状態もこの馬にとっては重要。外差しのきくコンディションのほうがよいし、枠も真ん中から外のほうが真価を発揮しやすいだろう。
ソウルラッシュはG1になると勝ち切れないが、常に安定したレースはしている。マイルCSは阪神で行われた一昨年が4着で、京都に戻った昨年がクビ差の2着。前哨戦から本番で着順を落とすパターンを打破したいが、そのためにはまず位置取りだろう。ブレイディヴェーグやナミュールよりは前で競馬ができるはずなので、位置取りを生かして自分より後ろの馬を封じたいところだ。
ジュンブロッサムは前哨戦の富士Sに優勝。この馬ももともとは中距離を使われていて共同通信杯や神戸新聞杯で掲示板に載ったこともあったが、2勝クラス時代にマイル戦を試したところ折り合いがつきやすいなどのメリットがあり、ついには重賞勝ち馬となった。これまでのG1好走馬を富士Sで負かしているのでここで通用する可能性はもちろんあるが、舞台がG2かG1かで結果が変わってくる可能性はある。差し・追い込みタイプで位置取りが他の有力馬と重なるので、戦略について考える必要もあるだろう。
セリフォスはマイルG1の常連。年齢を重ねるとともに少しだけパフォーマンスが落ちている印象もあるが、展開次第で再浮上もありうる。2023年安田記念(2着)くらい積極的な競馬をすると変わり身のきっかけになるかもしれない。
遠征してくるチャリンは、ダーレーフライングスタートのOGでもある日本人の奥さんを持つヴァリアン師が送り込んでくるので、日本の馬場に対する適性は自信があるはず。ジャックルマロワ賞を完勝、しかも例年より速いタイムで勝っているあたり、重い馬場でしか走れない欧州馬ではない。あとはシーズン終わり、しかも前走かなり重い馬場だったアスコットを走ったあとの長距離輸送でデキを維持できているかどうかだ。
text by 須田 鷹雄