展望
若々しいスピードを見せる馬が集う朝日杯FSを分析
2024年12月11日 11:30配信
ホープフルSがGIになって以降、牡馬の登録馬が分かれるぶんやや寂しい面もあるが、それでも2歳戦らしいというか、若々しいスピードを見せる馬が集うのは今年も朝日杯フューチュリティSのほう。来年以降も活躍するマイラーを見つけたい一戦だ。
重賞を勝っている馬は4頭登録してきた。アルテヴェローチェはデビュー2連勝。サウジアラビアロイヤルCは稍重だったこともあり、上がりタイムは34秒5にとどまった。本番を制するには上がり勝負よりも持続力勝負になってほしいところ。あるいは少し雨が来るとこの馬には有利になる。
パンジャタワーもデビュー2連勝だが、1200mの新馬戦から1400mの京王杯2歳Sなので、今回は距離延長で初距離という課題を克服しなければならないことになる。デビュー戦は先行、京王杯は差しと違う形で連勝している自在性を生かしたい。
エイシンワンドは小倉2歳Sを制したものの、京王杯2歳Sでは8着に敗れた。1400mで挫折したところからさらに200m延長なので楽な戦いではないが、道悪になるようだと他馬が苦労するぶんチャンスが出てくる。
トータルクラリティは新馬戦・新潟2歳Sを連勝。ノーザンファーム産のバゴ産駒はクロノジェネシス、ステラヴェローチェ、ブラックバゴと活躍馬が多いが、それに続く存在になった。競馬センスの良い馬という印象で、ここも好位をとってレースを進めたい。
重賞勝ち馬にそれぞれ不安材料もあるぶん、1勝クラスを勝ったばかりだがミュージアムマイルあたりもファンの期待を集めることになりそう。2000mの黄菊賞を勝ちながらこちらを選ぶというのは、陣営はマイル適性に自信を持っているのだろう。阪神に舞台が移って以降、前走2000mからの優勝馬は1頭しか出ていないのだが、それが本場の父リオンディーズである。
サウジアラビアロイヤルCで5着に敗れてもなお、ファンがその可能性を信じているのがアルレッキーノ。兄姉がノッキングポイントとチェルヴィニアという超良血馬。このまま終わるということはないだろうし、逃げの手に出ると復活がありそう。そのためにも内寄りの枠を引きたい。
タイセイカレントはサウジアラビアロイヤルCで2着だったが、上がり最速をマークした。逃げ切りだった新馬戦とは違う形での好走は評価できる。平均ペースになるとサウジアラビアロイヤルCの1,2着馬が再び1,2着というようなこともありうる。
ショウナンザナドゥは牝馬ながら出走機会を求めてこちらへ。デビュー前からかなり評価の高かった馬で、牡馬相手でもやれそうな雰囲気はある。
text by 須田 鷹雄