展望
2歳G1としてすっかり定着のホープフルSを分析!
2024年12月24日 15:30配信
中央競馬年末の大一番、ホープフルS。G1に昇格して今回で8回目だが、ファンの間にも2歳G1としてすっかり定着してきた。
1番人気に推されるのはクロワデュノールだろうか。新馬戦・東スポ杯と連勝してきたが、その内容がともに完勝。道中2~3番手という好位を進みつつ、上がり最速、しかも3ハロン33秒台の脚を使って勝ってみせた。東京から中山へのコース替わりで今回はもっと上がりタイムを要する馬場になるが、その点を克服できれば来年のクラシックへ向けて主役的存在になれそうだ。
マスカレードボールは新馬戦とリステッド競走のアイビーSを連勝。新馬戦は道中10番手から追い込み、アイビーSは好位からの競馬で勝った。2歳馬らしからぬ自在性は、多頭数の混戦で生きそうだ。父ドゥラメンテの産駒はこの世代が最後。若くして世を去った父にG1タイトルを捧げたいところだ。
マジックサンズは新馬戦と札幌2歳Sを連勝。ここまでに挙げた3頭は父がキタサンブラック、ドゥラメンテ、キズナで、内国産種牡馬のトップクラスがぶつかる一戦でもある。本馬は北海道の洋芝、しかも稍重と重馬場で勝ってきたので、速いタイムになったときの対応力は未知数。ただスタミナに余裕はありそうで、消耗戦になったときはタフに粘り込んできそうでもある。
ピコチャンブラックはアイビーSで2着。母の兄が皐月賞馬アンライバルドで中山芝2000mには縁のある血統だ。新馬戦では逃げて7馬身差の圧勝。他の有力馬が慎重に控えていくようなら積極的な競馬で活路を拓く可能性がある。
ヤマニンブークリエは新馬戦1着のあと1勝クラスの黄菊賞で2着。ただその時の1着は朝日杯FSで2着したミュージアムマイルだ。この馬もキャリア2戦ながら新馬は差し、前走は逃げと異なる形で好走してきており、その自在性を生かしたい。
アマキヒは1戦1勝、しかも新馬戦はアタマ差の辛勝だったが、血統が魅力。母は2010年の牝馬三冠馬アパパネ、半姉は21年の秋華賞馬アカイトリノムスメだ。どちらかというと新馬戦から目一杯仕上げてはこない国枝厩舎ながらデビュー勝ちというのは能力が高い可能性がある。名伯楽・国枝栄調教師も定年を控えこの世代がクラシックに挑める最終世代。ここで賞金を加算して出走権を確かなものにしたい。
ジョバンニは1,2,2着と来ているが、前走は重賞の京都2歳S。先述したように今年のホープフルSは内国産種牡馬のエース級が激突するが、この馬はエピファネイア産駒代表。相手なりに走るしぶといタイプだし、スタミナは豊富そうだ。
text by 須田 鷹雄