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日本最小ラガーマンが語る【豆の眼力】「絶妙なコース取り」松田力也選手の技術

2018年7月19日 13:15配信

1.スーパーラグビー最終戦はレッズと対戦

スーパーラグビー最終節が12日に豪州・ブリスベンで行われ、日本のサンウルブズはレッズ’(オーストラリア)に27-48で敗れ、今季を終えた。

今回はレッズとの一戦で、サンウルブズFB松田力也選手(No.22)が見せたある技術について解説していきたい。

2.始まりはパーカー選手のパントキック

それは13-43のレッズリードで迎えた後半70分。

サンウルブズボールのラックからまずはSH田中史朗選手(No21)が右に展開する。

そこからボールを受けたSOヘイデン・パーカー選手(No.10)は、ライン右裏にスペースがあることを確認すると、小さくパントキックを蹴った。

パーカー選手はそのまま追いかけ、そのボールをキャッチすることになるのだが、倒されたパーカー選手の後ろに絶妙なタイミングで入ってきた松田選手のフォローコースに注目してほしい。

首藤甲子郎氏

3.松田選手のフォローコースに注目

パーカー選手がキックしてボールを再獲得するまでの間、パーカー選手の外側に位置し、パスももらえるようなポジショニングをしているのがわかる。

その後、パーカー選手が「自らキャリーをする」と分かった瞬間、松田選手はこれまで走っていたコースを一気に変えSOパーカー選手の真後ろへとフォローコースを変化させたのである。

このコース取りがのちどのように影響してくるのか。

相手選手の状況を確認してみると、パーカー選手にタックルにいった選手を含め5人の相手DFが下がりながら並走する状態となっていた。

この時の、相手の目線と体の向きがキーとなるのだ。FB松田選手は始め、パスがくることも考え少し外目にポジショニングしていたということもあり、フォローに入るFB松田選手は相手選手の視界に入っていない。

パーカー選手がキャリーと分かった瞬間の相手DF選手の意識は、パーカー選手の持ち込んだボールへといってしまうのだ。

4.状況の変化に瞬時に対応した松田選手

その相手の目線と体の向きが自分からは離れた瞬間をFB松田選手は逃さなかった。

松田選手は一気にギアを変え、相手の視界の外からフォローをし、さらにビッグゲインをすることに成功した。

結局この後、プレーが継続し、中村亮土選手(No.23)のトライへとつながっている。

簡単そうに見えるこのコース取りだが、多くの選手は、パスを考えた少し外目のポジショニングから、そのままフォローにいくため、フォローに遅れてしまったり、最悪の場合はポイントから勢い余って行き過ぎてしまうということがしばしば見受けられる。

相手のDFの癖や、チャンスの意識、瞬時に変わる状況を素早く判断し、ベストな選択ができる松田力也選手。

さらにこれが、世界を相手にしながらできるのだから、松田選手の将来が楽しみでならない。

5.8月下旬からはトップリーグが開幕。

これが今季スーパーラグビーの最終戦。サンウルブズは参入3期目を通算3勝13敗で終えた。

国内トップリーグの開幕まで1ヶ月と少し。

松田選手をはじめとした、多くのトッププレーヤーが見せる、卓越した技術のバイキングを、是非会場に足を運んでいただき、ご賞味いただきたい。

文:首藤甲子郎

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