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インタビュー

木下アビエル神奈川・木原美悠(後編):Tリーグ独自のビクトリーマッチで得た成長

2023年1月10日 12:52配信
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近年、日本が飛躍的に力をつけ、世界一の座にも手が届きつつある卓球。

試合では、スピード、回転、コースの変化を組み合わせ、戦術を練り、その勝敗には、メンタル面も大きく影響する。選手たちは、わずか直径40mm、重さ2.7gのボールに人生をかけ、それぞれの物語を紡いでいる。

この連載コラムでは、さまざまな選手たちにインタビューし、そのプレーや人間性の魅力に迫る。

今回は、JOCエリートアカデミー/星槎所属で、Tリーグでは1stシーズンから木下アビエル神奈川でプレーしている木原美悠選手。(インタビューは2022年12月28日オンラインで実施)

(聞き手・文=山﨑雄樹)

後編・Tリーグ独自のビクトリーマッチで得た成長

Tリーグ前期MVP表彰式(左は栗山貴行事務局長)


―Tリーグ2022-2023シーズンの前期MVP獲得おめでとうございます。9月~11月の試合でシングルスはリーグトップの7勝(3敗)、ダブルスも2勝(2敗)、ビクトリーマッチ(団体戦で2-2になった場合に決着をつけるために行われる1ゲームマッチ)でも2勝(0敗)を挙げました。

木原美悠選手(以下、「」のみ)

「ありがとうございます。昨シーズンも橋本帆乃香さん(九州アスティーダ→日本ペイントマレッツ)とすごく接戦で、今まで一度もMVPをいただいたことがありませんでした。今回いただけたことは嬉しいのですが『あれ?そんなに勝ってたっけ?』という感じで、あまり実感がありませんでした(笑)」


―Tリーグでは1stシーズンから木下アビエル神奈川でプレーされていますが、木原選手にとってTリーグでのプレーはどんなものですか。

「シングルスもダブルスもあって、海外からも選手が来て、日本で外国籍選手と対戦できることは、自分にとっていい経験になっています。そして、Tリーグと言えば、ビクトリーマッチです。面白いというか、プレッシャーがあるなかで勝つこと(5シーズンで10勝5敗)で自分が成長できた部分がめっちゃあります!」


―ビクトリーマッチは難しいと話す選手も少なくありませんが、そう思えることがすごいですね。

「自分からしたら、出場できることがラッキーです(笑)」


―過去の4シーズンと比べ、今シーズンの違いはありますか。

「今シーズンのチームメイトは強すぎるというぐらい強くて(石川佳純選手が在籍、長﨑美柚選手が復帰、平野美宇選手が移籍、張本美和選手が成長)、本気でパリオリンピックを狙っている選手が同じチームにいます。選考会も始まって、Tリーグの結果でもオリンピック選考ポイントが加算されるので、チーム内で争うことも増えてしまいましたが、第1マッチのダブルスでも、シングルスでも自分の出番が回ってきたら、勝ってチームに貢献したいです。チームは今、1位ですので、今シーズンこそファイナルの舞台に立って、チャンピオンをつかみ取りたいと思っています」


―優勝への思いは大きいですか。

「1stシーズン(2018-2019シーズン)のファイナル(2-3で日本生命レッドエルフに敗れる)ではまだ14歳で、石川(佳純)さんとダブルスを組みました。ファイナルの舞台で緊張して、さらに雲の上の存在だった石川さんと組んでいることにも緊張していました。『どうしよう。このボール、ミスしたら怒られるかな』と思っていました(笑)。中学2年生で経験も少なく、(ゲームオール11-13で)負けてしまって『あのボールを決めていたら、勝っていたのかな』と振り返って思います。3rdシーズンのファイナルも国際大会への出発と日程が重なってしまって、出場することができませんでした。まだ1回も優勝したことがありませんが、それだけに今シーズンこそ優勝できると思っています。チームのメンバー1人1人が本当に強いので、信頼し合って頑張りたいです」


―木下アビエル神奈川のチーム内もそうですが、今、日本の女子卓球界は、世界でも通用する強い選手が揃っています。そんな時代に選手でいることについて、どう感じますか。

「辛いです…。正直に言うと辛いですね(笑)。全員がライバルです。国内の選考会でも1回戦や2回戦から強い選手と当たります。ただ、同じ目標を持って頑張っている選手がいい成績を出すと、『自分も頑張らなきゃ』とすごく刺激になります。その部分は自分にとっても大きいです」


―自身の卓球スタイルや伸ばしていきたい長所など、こうありたいという選手像はありますか。

「今は、ブロックやカウンターといった守備がすごく得意なのですが、それだけではトップに立つことは難しいです。例えば、早田(ひな)選手のような攻撃力やフットワーク力を身につければ、もう少し強くなれると思うので、そこを強化していきたいです。また、(バック面の)表ソフトの特長である変化やスピードをいかしたいです。変化といってもナックル(無回転)はあまりないのですが、カットブロックをしたり、サイドスピンを入れたり、福原(愛)さんのように前に落とすボールを操りたいです。そして、一番必要なのはメンタルの強さです。どんなプレーでも自信を持つことが今の自分には大事です。やはり中国人選手と比べたら、大事な場面や競った場面で積極性や自信を持ってプレーすることが足りないと思います。ツッツキでもストップでもミスをすることが怖くて、中途半端になってしまうことがあったので、そこを改善したいです。正確で、それでいて相手をビビらせるようなプレーが必要です」


―今後の目標を教えてください。

「選手でいる限りはオリンピックや世界選手権の舞台をめざして頑張っています。日頃から努力をしたり、自分の技術や戦術を強化したりして、オリンピックに出たいです」


【プロフィール】

木原 美悠(きはら みゆう)

2004年8月3日生まれ。兵庫県明石市出身。父・博生さんや姉・茉鈴さん、兄・翔貴さんの影響で4歳のときに卓球を始める。小学生時代は、全日本選手権ホープス・カブ・バンビの部すべてで優勝。中学2年生のとき(14歳5か月)には全日本選手権一般の部で史上最年少で決勝進出。2022年は世界選手権(団体)に日本代表として初出場し、準優勝。また、世界ユース選手権では19歳以下のシングルスと張本美和選手と組んだダブルスの2冠に輝く。Tリーグでは、1stシーズンから木下アビエル神奈川で活躍し、今シーズンの前期MVPを獲得。戦型は右シェークハンド裏ソフトと表ソフトの前陣速攻型。バックハンドの強打が持ち味。


【著者プロフィール】

山﨑 雄樹(やまさき ゆうき)

1975年生まれ、三重県鈴鹿市出身。立命館大学産業社会学部を卒業後、20年間の局アナ生活を経て、現在は、フリーアナウンサー(圭三プロダクション所属)として、Tリーグ(dTV・ひかりTV・AmazonPrimeVideoなど)や日本リーグ(LaboLive)、全日本選手権(日本卓球協会・卓球TV)など卓球の実況をつとめ、「日本一卓球を愛するアナウンサー」と呼ばれる。また、小学生、中学生と懸命に卓球に打ち込んだが、最高成績は県4位、あと一歩で個人戦の全国大会出場はならず。その後、愛好家として、40歳のときにプレーを再開し、全日本選手権(マスターズの部・ラージボールの部)に出場した。

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