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【大会名、参加人数などの縛りに賛否】ゲーセンの大会はどうなってしまうのか——カプコンがコミュニティ大会ガイドラインを公開

カプコンは2026年4月28日(火)、公式Xにてコミュニティ大会の開催ガイドラインを公式に策定・公開した。ガイドライン遵守を条件に、カプコンへの連絡なしで大会を開催可能となる一方、賞金提供やスポンサー受け入れは明確に禁止された。
【コミュニティ大会ガイドライン策定のお知らせ】
— CAPCOM eSports (@CAPCOM_eSports) April 28, 2026
株式会社カプコンは、ユーザーの皆さまのコミュニティ活動を応援しています。… pic.twitter.com/U2whrx0tqn
要するに、カプコンが「無許諾でやっていい範囲」を初めて明示したガイドライン。その範囲を超えた大会を開催したい場合は、個別にカプコンの許諾を取る必要があるということだ。
コミュニティ活動を後押しする狙いがある一方、大会規模の上限をカプコンが定めた形とも受け取れる。
コミュニティ大会、何がOKで何がNGか
株式会社カプコンは2026年4月28日(火)、コミュニティ大会開催ガイドラインを公式に策定・公表した。これまで明文化されていなかったコミュニティ大会のルールが厳格化されたかたちで、大会主催者は内容を把握しておく必要がある。
参考:ガイドライン全文
ガイドライン遵守を条件として、カプコンへの事前連絡なしで大会の開催ができると、お墨付きが得られた点は評価できる。また、ガイドラインに準拠した大会に対しては、カプコンから著作権侵害の主張は行わないと明記されているのも安心できるポイントだ。
いくつか気になった点をピックアップして解説していこう。
主催者の条件
本ガイドラインが適用されるのは「個人」または「法人格を持たない団体」が主催する大会に限られる。NPO法人・株式会社・個人経営の店舗・学校・行政などが主体となる大会はガイドラインの対象外となる。つまり、別途カプコンの申請窓口を通じて個別に確認を取る必要があるということだ。
対象タイトル
ガイドラインが適用されるタイトルは以下のとおり。
- ウルトラストリートファイターIV
- ストリートファイターV チャンピオンエディション
- ストリートファイター6
- ストリートファイター 30th アニバーサリーコレクション インターナショナル(全収録タイトル)
- カプコンファイティング コレクション(全収録タイトル)
- カプコンファイティング コレクション2(「CAPCOM vs. SNK」シリーズを除く全タイトル)
上記以外のタイトルを使用する場合は、別途カプコンへの申請が必要となる。さらりと書いてあるが、『カプコンファイティング コレクション』や『カプコンファイティング コレクション2』には、多くのアーケードタイトルが含まれている点に注意したい。
参加人数と参加費
参加有料の大会は64人以内、参加無料の大会は256人以内が上限となる。参加費を徴収する場合は1人2,000円(税込)以内で、徴収した費用は運営費への充当のみに使用できる。
賞品・賞金について
賞品として認められるのは賞状やトロフィーなど金銭的価値のないものに限られる。現金・金券・商品券など金銭と同等の価値を持つものの提供は禁止されている。
スポンサー受け入れは禁止
大会開催にあたり、第三者から物品・サービス・金銭などの提供を受けることは禁止されている。
観戦料について
観戦料の徴収が認められるのはオフライン大会の開催会場のみで、1人1,500円(税込)以内に限られる。パブリックビューイングなど、大会会場とは別の場所での観戦料徴収は禁止されている。
公式素材の使用禁止
タイトルロゴやキャラクターイラストなど、カプコンが知的財産権を有する公式素材の使用は認められない。二次創作ガイドラインの範囲内で制作された二次創作物については使用が可能だ。つまり、公式の画像をそのまま大会告知に使うことは著作権法上もともと問題のある行為だが、今回のガイドラインによってその点が改めて明確化された形だ。
会計の公開義務
参加料・観戦料を徴収する場合は、収支に関するすべての会計書類をWebやSNSで誰でも閲覧できるかたちで公開することが求められる。
大会名の制限
大会名にカプコンの公式・公認を匂わせる表現や、「最強」「NO.1」「頂上」など国内外の1位を決める大会と誤解される表現は使用できない。これは地味に厳しい制約だ。「今日の最強決定戦!」のような大会名は完全にNGとなる。
ただし、ガイドラインが制限しているのはあくまで「大会名称」であり、副題やリード文への適用については明記されていない。「大会名はシンプルに、煽り文句はコピーで」という運用で回避できる余地は残っている。とはいえ、大会名そのものにキャッチーさを込められなくなったのは、コミュニティ大会の文化的な観点からすると惜しい部分ではある。
ガイドラインの詳細はカプコンの公式ページで確認できる。
参考:ガイドライン全文
アーケード基板を使った老舗大会はどうなるのか
今回のガイドラインが公開されたことで、『スーパーストリートファイターⅡX(スパ2X)』や『ヴァンパイアハンター』といったアーケード基板で長年続いてきたコミュニティ大会の行方はどうなってしまうのか——という懸念がつきまとった。
『スパ2X』は『ストリートファイター 30th アニバーサリーコレクション インターナショナル』、『ヴァンパイアハンター』は『カプコンファイティングコレクション』にそれぞれ収録されており、対象範囲内だ。プレー環境についても「機種は問わない」と明記されている。
しかし、『ストリートファイターV タイプアーケード』や『ストリートファイター6 タイプアーケード』といったアーケードタイトルが、対象タイトルとして記載されていないことから、既存のアーケードタイトルに関して、今回のガイドラインに該当しないと筆者は考える。
つまり、今回のガイドラインは、あくまで対象タイトルをコンシューマー機やPCを使って主催する大会に向けたものであって、アーケード基板を使用したゲーム大会については、今まで通り開催できると判断していいだろう。
eSports Worldが2019年に取材した『スパ2X』の大会「カケルゴ」では、事前エントリー34チーム・当日予選4チームの全38チーム、総勢190名が参加している。今回のガイドラインでは有料大会の参加上限を64人と定めており、190人という規模はその3倍近い。
参考記事:
『スーパーストリートファイターII X』の5on5大会「カケルゴ2019」レポート、来場者は200人超!
同様に、『ストリートファイターIII 3rd STRIKE』の5対5チーム大会「クーペレーションカップ」も、500人規模の参加者がいる老舗大型大会だ。どちらもアーケード基板を使った大会なので、今回のガイドラインとはまったく別物と考えていいのではないだろうか。
そうなると、今回のガイドラインで問題なのは、対象タイトルで大会を主催した際の参加人数による縛りだ。参加を無料にしても上限は256人まで。参加費を運営費に充てている現状を考えると、無料化は大会の維持そのものに影響する可能性がある。
参加料を取る場合の参加人数の上限の64人。参加料最大2,000円以下という制限から、多くても約13万円の費用しか得られない。さらに上記のような団体戦であれば、上限である64人や256人というのは簡単に超えてしまう可能性があり、多くのコミュニティー大会に影響すると考えられる。
大会の参加者による人数の縛り、参加料の上限による縛り、賞品の縛りなど、コミュニティー大会にとっての魅力的な要素をガチガチに縛っているようにも見えてしまうことから、SNSでも賛否が分かれている。
なお、ガイドラインにも「ガイドラインに記載の通り、個別のお問い合わせへの回答は受け付けておりません」と記載されているように、カプコンサイドとしては、ガイドラインに対する質問は一切受け付けていない。
実際に、既存のコミュニティ大会が抱える疑問点について問い合わせをしたものの、具体的な回答は得られなかった。現段階ではとにかくガイドラインをしっかり読んで、自身が主催する大会がガイドラインに反していないか、しっかりチェックをしておく必要がありそうだ。
なお、ガイドラインにも記載されている通り、法人・店舗(個人経営の店舗を除く)・公共団体で大会の開催を希望する場合は、窓口から申請するといいだろう。
参考:ライアットゲームズのイベントサポートプログラムについて
eスポーツの盛り上がりで、さまざまなコミュニティーで人気タイトルを扱ったイベントや大会が増えてきている。そこで比較として『リーグ・オブ・レジェンド』や『VALORANT』の運営会社であるライアットゲームズの「イベントサポートプログラム」についても解説しておこう。
ライアットゲームズの公式サイトには「プレイヤーコミュニティーや任意団体が主催する大会やイベントを、積極的にサポートしています」と明記されており、RPやスキンなどのゲーム内賞品の提供を希望する主催者向けに専用の申請窓口が設けられている。申請はイベント開催の2週間前までに行い、運営事務局からの承認を経てサポートが確定する仕組みだ。
ただし現時点ではイベントの申請フォームを入力しようとすると、「運営体制の見直しに伴い、イベントサポートの受付を一時休止中」とのアナウンスされ、今後どのように見直されるのかは不明だ。
カプコンのガイドラインと比べると、賞品サポートの仕組みや申請窓口の整備という点で、各社のコミュニティ大会に対するアプローチには違いがある。コミュニティとの関わり方において各メーカーが模索しているように感じられる。
関連リンク:
https://www.riotgames.com/ja/event-support-program
eスポーツの盛り上がりで、さまざまなコミュニティーで人気タイトルを扱ったイベントや大会が増えてきている。そこで比較として『リーグ・オブ・レジェンド』や『VALORANT』の運営会社であるライアットゲームズの「イベントサポートプログラム」についても解説しておこう。
ライアットゲームズの公式サイトには「プレイヤーコミュニティーや任意団体が主催する大会やイベントを、積極的にサポートしています」と明記されており、RPやスキンなどのゲーム内賞品の提供を希望する主催者向けに専用の申請窓口が設けられている。申請はイベント開催の2週間前までに行い、運営事務局からの承認を経てサポートが確定する仕組みだ。
ただし現時点ではイベントの申請フォームを入力しようとすると、「運営体制の見直しに伴い、イベントサポートの受付を一時休止中」とのアナウンスされ、今後どのように見直されるのかは不明だ。
カプコンのガイドラインと比べると、賞品サポートの仕組みや申請窓口の整備という点で、各社のコミュニティ大会に対するアプローチには違いがある。コミュニティとの関わり方において各メーカーが模索しているように感じられる。
関連リンク:
https://www.riotgames.com/ja/event-support-program
掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。


