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【VALORANTパッチノート先取り速報:9.08編】なぜネオンはナーフされないのか——ゲッコーの弱体化やサンセットの変更など小規模なバランス調整がメインの新パッチ

2024年10月25日 12:00配信
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きたる日本時間10月22日(火)、パッチノート9.08の情報がお披露目された。


この発表によると、ゲッコーの弱体化やサンセットの変更が施される予定であるとのこと。Episode9も大詰めとなるなか、今回は上記の発表内容やコミュニティーの反応などをもとに、このアップデートでどのようにプレー環境が変化するのか、独自に予測する。


そして——、みなさんが気になるであろう、ネオンメタの現状についても詳しく解説していこう。

マッププールが変更、スプリットとパールが復活


このパッチからマッププールが変更となる。バグによって一時的に除外されていたスプリットも、ついにプレー可能となった。

■ マップローテーション

● パールとスプリットがコンペティティブキューに復活
● アイスボックスとロータスをコンペティティブキューから削除

現状コンペティティブやPremierなどでプレー可能なマップは以下の通りだ。
→アセント、アビス、バインド、ヘイヴン、パール、スプリット、サンセット

▲特にパールは2023年8月以来、約1年ぶりにマッププールへ復帰だ(楽しみ!)

ゲッコーは総合的には弱体化、安定した性能にバランス調整


2023年末のパッチノート7.12で強化が行われて以降、アビリティーの回収スピードがめちゃくちゃに早くなったゲッコー。今回ようやく、この仕様にメスが入る形となった。


■ 球体

● ワールド内に存在する時間を短縮 20秒 >>> 15秒
● 回収にかかる時間を延長 1秒 >>> 1.5秒

ゲッコーのアビリティーは「モッシュピット」以外、使用後に落ちたオーブを拾うことで、もう一度使うことができる。今回のパッチでは、この行為にかかる時間が延長された。

現在、回収にかかる時間は1.5秒だ。以前の1秒の頃と比べると、やはり遅く感じるのは間違いない。ただこれでも実装当初の2秒よりもまだまだ早い。正直今までが爆速すぎたということもあり、申し訳ないがこれは妥当な調整だろう。

■ ディジー(E)

● 投てき後のアクティブ時間が短縮 1.5秒 >>> 1秒
● ディジーの対象捕捉アルゴリズムをアップデートして命中率を向上。
● ディジーのベトベトのフラッシュを受けるとミニマップも見えなくなるように変更。

■ ウィングマン(Q)

● スタンの扇状の効果範囲の角度が増加 45度 >>> 65度
● ウィングマンがスパイク設置後に球体になった際に固有のビジュアルを追加。

■ スラッシュ(X)

● ULTポイントが増加 7 >>> 8

そのほかにも、「ウィングマン」はわずかに強化、そのほかの「ディジー」や「スラッシュ」も少しだけ弱体化された。

特に大きな変更が「スラッシュ」の使用に必要なULTポイントが8になったことだろう。「ウィングマンでスパイク設置→ULTオーブ回収」という一連のルーティンで、脅威のULT回転率を誇っていたゲッコー。うまくやれば12ラウンド中4回は使用できた「スラッシュ」も、3回程度に減ってしまうのではないだろうか。

今後はより慎重なアルティメットの使用が必要そうだ。

圧倒的守り有利「サンセット」
Bサイトのテコ入れで試合展開はどう変わるのか?


サンセットは主にBサイトが調整された。Bサイト内の景色はがらりと様変わりし、よりアタッカーサイドがサイト内で耐えやすく調整されている。まだまだ守り有利マップであることには変わりないだろうが、攻守ともにやはり戦い方は変わってくるだろう。

変更点をおさらいしつつ、どのようなプレーが想定されるかを見ていこう。

Bメイン

変更前

変更後

Bメインは中央の箱がなくなり、代わりに別のオブジェクトが配置された。特にリテイク時、この箱の存在はとても厄介だった。左右からちょこまかとピークされ、解除ができないもどかしさを何度味わったことか。

だが今回の変更により、その「メイン耐え」も難しくなった。箱がなくなったことにより、よりBメインの構造がシンプルに。つまり、リテイクも比較的容易になったということだ。

だからこそ攻め側はよりいっそう、サイト内での攻防が重視されるようになるだろう。

Bサイト(手前)

変更前

変更後

一方でBメインの外側(サイトに面した部分)は、よりシンプルな構造に変更された。左側の壁がフラットになり、さらに右側にあった箱が削除。エントリー時に見るべき箇所が減った分、入口の幅がちょっとだけ狭くなった。サイファーの強みが少し減少した反面、アセント見たく中々厳しいエントリーになりそうだ。

▲アビリティーがないと壊せないワイヤーは使えなくなった。今後は少し工夫が必要そうだ

Bサイト

変更前

変更後

サイト側は、中央の柱に大きなくぼみが出現。これで比較的安全に設置ができるようになり、サイト内でのエリア保持も少しはマシになりそうだ。

▲スパイクが設置可能なのは、このくぼみの右半分のみ。銃弾を避けられるとはいえ、人ひとり分のこのスペースでは設置もかなり厳しそうだ

▲サイファーが味方にいるならここのワンウェイがおすすめ。壁にはりついて、上部にある飾りの上に「サイバーケージ」を乗せるだけ

▲設置後のお手軽ワンウェイの完成だ! この中でスパイク解除は不可能だ。やはりこのマップにサイファーは必須だろう

Bサイト(後方)

変更前

変更後

サイト内も構造が大きく変化。タピオカ側からの風景ががらりと変わり、リテイクが若干難しくなった。

▲スロープ上(画像右側)で設置ができなくなったのが少し痛い。実は意外と安全な位置が少なそう

▲マーケット横の段差には、壁が追加。タピオカ‐サイト間の射線が通りにくくなった。リテイク時にはマーケットとも挟み込むようなプレーが求められるだろう

タピオカ

変更前

変更後

なお、タピオカに置いてある箱の形状も少し調整された。どう変わったのかは、正直プレーしてみてもよくわからなかった。

中央

変更前

変更後

中央コートヤードもマイナーチェンジされ、右側にあるヤシの木が伐採。その代わりに小さな木箱がぽつんと配置された。中央は圧倒的にアタッカー有利のエリアだが、この木箱の登場により、守り側のプッシュが少ししやすくなった。

今後はこの箱の裏も警戒しながら攻めなければいけなくなった(とはいえ、以前にもこの位置に敵が入っていることはよくあったが)。

ネオンはなぜ弱体化されない?
コミュニティでは止まない怨嗟(えんさ)の声


さて、この記事の本題は実は「ネオンがなぜそのままだったか」である。6月のパッチノート8.11から早4カ月、この日を境にネオンメタの時代がやってきた。筆者個人的な印象でも、コンペティティブでネオンを見かける機会は異様に増えた。体感3試合に1回はネオンがいる。

ストッピングが重要視される『VALORANT』において、走ることが取り柄という異色のエージェント。コミュニティでは「早くネオンを調整しろ」や「ナーフしてくれ」という怨嗟とも言える声が相次いでいる。

▲VALORANT公式Xのリプライ欄は、ネオンメタの現状を憂う人々で溢れた

ネオンはダッシュとスライディングが最強


ネオンは「ハイギア」(ダッシュ)を行うことにより、ほかのエージェントよりも素早く走ることができる。このハイギア中に銃を撃つことはできないが、「スライディング」を行うことで高速で横に移動しつつ、素早く武器を構えることができる。

先日行われた「Red Bull Home Ground 2024 APAC Qualifer」でも、🇯🇵ZETA DIVISIONのDep選手や🇰🇷T1のBuZz選手などが使用し、華麗なプレーで会場を湧かせた。

▲スモークにダッシュ状態でゆっくり潜り込むDep選手(https://www.youtube.com/live/ah66DnyC9NU?si=FVmZh5spFF3XTWij&t=10385

▲ヴァイパーを視認した瞬間にスモークの奥にスライディング。姿が見えてから確実にキルを取る冷静かつ大胆なプレーだ!

同大会ではネオンの使用率は約50%(APACのみ)。ヘイヴン・サンセット・ロータスの広めのマップでは多用される一方、バインドやアセントなどの小さめのマップでは著しく使用率が低いことが特徴だ。広い空間を満遍なく使え、そして長い移動時間を少しでも短縮できることが、このネオン構成の強みであるということだ。

個人的にもっとも印象に残っているプレーは、「VCT Stage2 Masters Copenhagen 2022」のFPX対DRX戦のプレーだ。

▲オペレーターを構えるardiis選手に、🇰🇷DRXが見せた解答は「スピード」だった

▲ネオンはあくまでベイト。容赦なく飛んでくるアビリティーと銃弾に、なすすべもなく蹂躙されてしまう。この間わずか5秒だ(https://www.youtube.com/live/txUkS66HXCM?si=679eVT_kB6Z4wnxk&t=8062

このプレーをはじめて目にしたときは、『VALORANT』の既成概念がぶっ壊れたような感じがした。この当時ネオンはかなり微妙な評価を受けていたが、それでもRb選手の手にかかればこのとおりだ。

ネオンの強化は、Riotが出した「ジェットメタ・レイズメタ」へのアンサーである


筆者は以前の記事で「ネオンのピック率が上がることはない」と予想したが、それは大きな間違いだった。
だがその理由は、「ネオンがめちゃくちゃ強いから」ではなく「ほかのデュエリストが弱くなったから」であることが大きいだろう。

パッチ8.11以前では、レイズがよく使われていたエージェントだったと記憶している。そしてそれ以前は、ジェットがどこでも使われていた時代があった。かくいう筆者も『VALORANT』を始めた当初はずっとジェットを使っていた。

だがジェットは、2022年の「ティルウィンド」の仕様変更からはじまり、ULTである「ブレードストーム」の威力減少や「クラウドバースト」や「アップドラフト」の弱体化などを経て、それ以降すべてのアビリティーにテコ入れが入った。一時は栄華を極めていたジェットだが、今や見る影もないほどにナーフされてしまったわけだ。

その代替として見出されたレイズも、2023年に「ブームボット」の効果時間が10秒→5秒に変更されて以降、ずっと弱体化されっぱなしだ。ペイント弾の威力は減り、「ブラストパック」も敵にダメージを与えなくなり、「ブームボット」は極めて限定的な索敵しかできなくなった。

ここからわかることは、Riotは「かんたんで強いエージェント」を減らそうとしているのだろう。

▲『VALORANT』のゲームバランスは「戦略サイクル」に則って調整されている。ネオンを見ると少し忘れそうになるが、このゲームは「タクティカルシューター」なのだ(https://playvalorant.com/en-sg/news/dev/how-we-balance-valorant/

もちろんネオンは強いエージェントだが、ほかのデュエリストと比べてエージェントやマップとの相性が激しかったり、プレーに戦略や技術が求められる場面は数多い。

実際、ネオンを使ってみると結構難しい。直線的に走ると普通に撃たれて倒されるし、実質2個の「スライディング」は使いどころがかなりシビア。「リレーボルト」は味方に容赦なく被弾するし、「ファストレーン」は一歩間違えば利敵行為にすらなり得る。サイファーのワイヤーを切ることができないというのも厳しい。

このように、ある程度のテクニックとタクティクスが必要なネオンは、現状Riotのお眼鏡に叶ったということだろうか。彼らの求めるゲームバランスと現環境がどの程度一致しているのかはわからないが、少なくともすぐに修正されない現状を見るに、ゲームバランスが崩れているとは考えていないのだろう。『VALORANT』らしくないという声はごもっともだが、ほかのデュエリストがまだまだ頼りない以上、この環境はしばらく続きそうだ。

もし仮に今後ネオンが弱体化されるのなら、その代わりとしてアイソやフェニックスあたりがガッツリ強化される——未来もあるかもしれない。ちょっと楽しみだ。

ネオンに「破壊」されないプレーのコツとは


とはいえ、現環境でネオンはかなりぶっ壊れた性能をしていることは事実。だが一方で、強化がされたからといって本質的な部分は実装当初からあまり変わっていない。つまるところ、ネオンが敵にいたときの対処法を覚えておけばある程度は大丈夫だということだ。

ネオン対策その①:ネオンのプレーの特色を知る


敵チームにネオンがいるということは、かなりアグレッシブな攻撃を見せてくるということは容易に想像できる。その傾向や対処法をある程度知っていれば、ちゃんと乗り切ることができるはずだ。

例えば、
・一気にサイトの中になだれ込んでくる → いったんサイトは空っぽにして、落ち着いてからリテイクをする
・ULTが溜まった時にプッシュして来がち → 詰め待ちをしてみる
・スペクターやショットガンをよく持っている → なるべく近距離で戦わない

ネオン対策その②:エイムの置き位置を広げておく


スモークがあって、そこからネオンがスライディングで飛び出してくる。これはよくあることだが、わかっていても速すぎてだいたい勝てない。

その理由は、人間の反射神経がネオンのスピードについていけないから。だからこそ、ネオンに合わせた置きエイムをしておくことが大事だ。

▲普通の人では、到底反応できないスピードで飛び出してくるのがネオンというエージェントだ

クロスヘアの位置を「壁から頭2個分を離す」というのがよくある置きエイムだが、対ネオンにおいてはその3倍くらいあっても十分だろう。筆者はネオンの足音が聞こえたら、頭5個分を意識している。まあそれでも一撃で倒すのは至難の業だが、弾を当てることは十分可能だ。

ネオン対策その③:ショットガンを出そう


どうあがいても勝てないときは、ジャッジを出そう。それが難しいなら、せめてショーティーは持っておこう。

目には目を、歯には歯を、という奴だ。相手のネオンがショットガンやスペクターを持って距離を詰めてくるのなら、こちらも近距離に強い武器を出せばいいだけの話だ。ネオンはそこまで索敵ができるキャラクターでもないため、特に単純なラッシュを繰り返してくるような相手にはとても効果的だろう。相手に恐怖を植え付けて、サイト内を蹂躙されないようにするのだ。

▲とはいえ、集中していても当てるのは難しい。クロスヘアの置き位置も意識しておこう

また個人的には、オーディンもおすすめ武器だ。撃たれたときに足が遅くなる「ヒットストップ」という現象が『VALORANT』には存在するが、走ることが取り柄のネオンにはこれが大敵だ。逆に言えば、一発でも当ててしまえば、大きく相手の機動力を割くことができる。そこでオーディンを使えば、高い発射レートと攻撃力で、ネオンのダッシュを無効化してそのまま蜂の巣にできるという算段だ。

ただし、オーディンを使うにはちょっとばかし慣れが必要なので、練習しておくことをおすすめする。

まとめ


・ゲッコーの変更はいい塩梅(あんばい)のバランス調整。ULTが減ったのが少し痛いか。
・サンセットはBサイトが大幅に変更。アタッカー側はよりサイト内を使った戦いが必要そうだ。
・ネオンはおそらく今後も弱体化されない。それより、他のデュエリストが強化されるのが先かも?

以上が、パッチ9.08に基づく総評だ。好き嫌いが分かれそうな現環境だが、しばらくこの潮流が変わることはないだろう。

▲元DRXのZest選手「ネオンをナーフしてくれ、それか俺を殺してくれ」

ただ個人的には、現在のネオンメタ環境はとても好きだ。もちろん走り撃ちで倒されたときは怒り狂いそうになるが、それを凌駕するほど試合の「緩急」が面白い。一筋縄ではいかないエージェントではあるものの、さまざまな選択肢を生み出すことができるポテンシャルを秘めている異色のエージェントだ。マッププールにパール・スプリットが復活したが、このネオン環境でどのような新しいプレーが見られるか、非常に楽しみなところである。

ただひとつだけ……。さすがにULTは強すぎる。
これだけは調整されることを切実に願う。


© 2024 Riot Games, Inc. Used With Permission

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