JRA-VANコラム
11月に入って重賞勝利が続くオルフェーヴル産駒を分析
11月8日のアルゼンチン共和国杯を勝ったオーソリティ、同15日の福島記念を勝ったバイオスパーク、エリザベス女王杯のラッキーライラックはいずれもオルフェーヴルの産駒。そこで今回は、絶好調の注目種牡馬をデータから分析してみよう。
11月に入ってオルフェーヴル産駒の重賞勝利が続いている。まず8日にオーソリティがアルゼンチン共和国を勝利。翌週の15日にもバイオスパークが福島記念を制すと、直後のエリザベス女王杯ではラッキーライラックが連覇を達成した。そこで今回は、種牡馬オルフェーヴルに関するデータを調べてみたい。集計期間は産駒が中央デビューを飾った2017年6月24日から2020年11月15日で、平地戦のみを集計対象とする。データの分析には、JRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
表1は、オルフェーヴル産駒の総合成績および、東西・牡牝(セン馬は牡馬に含む)・年齢別の成績を示したもの。東西別の成績は結構な差がついており、明らかに関西馬が優位に立つ。これは、G1を勝ったラッキーライラックとエポカドーロがいずれも関西所属という実績通りの傾向とも言える。牡牝の差は小さく、このぐらいの差であれば牝馬優勢とみてもいいかもしれない。年齢別では4歳の成績がもっともよく、開花の時期はやや遅めとなっている。
表2はクラス別成績。好走率、回収率ともに優秀なのが3勝クラスとオープン特別で、この両クラスでは狙ってみる価値が高そうだ。また、重賞(G1~G3)の好走率も概して悪くない。一方、新馬戦や未勝利戦の数値はダウン傾向で、特に新馬戦では苦戦している様子も見受けられる。
表3は競馬場別成績を芝・ダート別で示したもの。芝から見ていくと、福島や中京の勝率、単勝回収率が高いように、どちらかといえばローカルを得意としているようだ。中央場では阪神の好走率がもっとも高く、ラッキーライラックが阪神でG1を3勝したのも納得。ダートは小倉が抜群。また、京都や阪神の成績もよく、中京を除く関西圏を得意としている。そんななか東京の数値が大きく落ち込んでおり、これは不得手と判断してよさそうだ。
表4は距離別成績を芝・ダート別で示したもの。芝の好走率は距離が延びるほど高く、2500m以上は単勝回収率も良好だ。ただし、短距離の1000~1300mは得意とは言えないものの、単勝回収率90%を記録しており、激走傾向があることには気をつけたい。ダートは1400~1600mのみ好走率が落ち、それ以外の好走率はあまり変わらないが、回収率を加味すると2100~2400mがもっとも得意と言える。
表5は枠番別成績を芝・ダート別で示したもの。芝は1枠のみ10%を上回る勝率を記録しており、単勝回収率105%も優秀。3、4枠の成績も安定しており、芝は内枠を得意としているようだ。一方、ダートは6枠や8枠の数値がよく、どちらかといえば外枠のほうがよさそう。内枠も連対率や複勝率では引けをとらないのだが、1、2枠を引いた場合に2着がやたらと多く、勝ち切れないパターンに注意したい。
表6は前走からの出走間隔別成績で、初出走時の成績も付記した。安定して走っているのは中2週や中3週。また、中9~24週や中25週以上は単勝系の数値(勝率、単勝回収率)が高く、休み明けの馬を1着で狙って妙味がある。苦手としているのは連闘で、初出走時の成績もあまりよくない。
表7は騎手別成績。オルフェーヴル産駒に30回以上騎乗したジョッキーを対象に、着別度数、勝率、単勝回収率の各ベスト5を掲載した。最多勝ジョッキーはルメール騎手で、アルゼンチン共和国杯のオーソリティ、エリザベス女王杯のラッキーライラックで重賞勝利をマークしたばかり。このルメール騎手に負けない好走率を記録しているのがM・デムーロ騎手で、勝率では堂々のトップだ。また、現役時代の主戦だった池添謙一騎手が着別度数順で5位、単勝回収率順で4位とさすがの好相性を見せている。産駒のバイオスパークで福島記念を勝ち、史上6人目の全10場重賞制覇を達成したのもファンには嬉しいところだろう。
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