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JRA-VANコラム

8年ぶりとなる函館芝1800mのクイーンSを分析する

2021年7月29日 16:00配信
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今週は日曜日に函館競馬場でクイーンSが行われる。例年は札幌の開幕週に行われているレースだが、今年は変則開催になったため、2013年以来8年ぶりに函館芝1800mで行われる同レースを分析する。データの分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

■表1 過去10年のクイーンS上位馬

表1は過去10年のクイーンS上位(3着以内)馬一覧。レースでの人気や走破タイム、前走レース名、前走着順、備考として注目したい実績を記載した。そもそも今回、例年(札幌)の結果がどこまで参考になるのか、という問題があることは当然理解している。札幌芝1800mと函館芝1800mのコースを比較した場合、北海道の洋芝でコーナーが4つの小回りコースという点においては同じ特徴を持つ。最後の直線距離も札幌が266.1m(Aコース時)、函館が262.1m(Aコース時)とほとんど差がない。しかし、コース形態には違いがある。

例えば、札幌はコース全体が丸みを帯びているのでコーナーが比較的緩やかだ。一方、函館はコーナー角度がきつく、それを緩和するため3~4コーナーにはスパイラルカーブが導入されている。一般的な小回りコースのイメージは函館の方で、コーナーリングの得手不得手が大きなポイントになるだろう。

12年と13年のクイーンSを連覇したアイムユアーズは、札幌と函館両方の開催で勝っている。今回のレースを考える上では貴重なサンプルだ。勝ちタイムを比較すると12年が1分47秒2(良)に対し、13年が1分49秒4(良)と2分2秒もの差があった。同じ良馬場なのにこれだけタイムが違うとレースの質が似ているとは言い難い。札幌芝1800mのクイーンSと函館芝1800mのクイーンSでは、求められる適性が違うかもしれない。アイムユアーズの場合は、自身の絶対能力でカバーしただけという可能性もありそうだ。今回もいつものように過去10年のデータを見ていくが、どんな結果になるか少々心配ではある。

好走馬30頭の前走レース内訳はヴィクトリアマイルが11頭でマーメイドSが6頭。この2レースで過半数を占めた。あとはドバイターフや福島牝馬Sといった他の重賞組が7頭。オープン特別組が2頭、3勝(1600万)クラス組が4頭だった。

さらに前走ヴィクトリアマイル組は11頭中10頭が4番人気以内(その内6頭が1番人気)だった。ヴィクトリアマイルでの着順は悪くても、それ以前の成績が評価されて今回上位人気に推されるというパターンが多い印象だ。

一方、前走マーメイドS組は6頭すべてが4番人気以下だった。基本的には前走成績なりの人気になることが多いが、上位人気にはなりづらい傾向だ。前走マーメイドSで2着と好走していた17年クインズミラーグロ、同3着と好走していた19年スカーレットカラーでもそれぞれクイーンSでは8番人気、5番人気という評価だった。前走ヴィクトリアマイル組よりも前走マーメイドS組の方が明らかに配当妙味はあるが、その分狙い方は難しい。

前走ヴィクトリアマイル・マーメイドS以外の重賞組は前走好着順の馬が多い。17年アエロリットは前走NHKマイルC1着、18年ディアドラは前走ドバイターフ1着とG1で勝利していた。前走オープン特別組は14年2着アロマティコ(巴賞1着)、16年3着ダンツキャンサー(安土城S2着)ともに前走は連対。前走3勝クラス組は12年2着ラブフール(五稜郭S8着)や13年2着スピードリッパー(夏至S13着)のように大きく負けていた馬の巻き返しがある。ただ、近年はこの好走パターンはなく、19年は好調カリビアンゴールド(五稜郭S2着)が格上挑戦で3着と結果を残している。

前走レース成績以外で注目したいのは、過去に芝1600~2000mのG1で3着以内の実績があるかどうかだ。備考に記したようにビーチサンバ、ソウルスターリング、レッドリヴェール、アイムユアーズは2歳時に阪神ジュベナイルフィリーズで好走。ミッキーチャーム、スマートレイアー、アニメイトバイオは3歳時に秋華賞で連対。前走NHKマイルCを優勝したアエロリットを含めると、30頭中10頭は芝1600~2000mのG1で3着以内に好走したことがあった。中心馬を選ぶ際には、こうした実績も気にしたいところだ。

【結論】

それでは今年のクイーンSを展望する。出走予定馬(7/28午前時点)は表2の通りだ。

■表2 今年のクイーンS出走予定馬(7/28午前時点)

まず注目すべき前走ヴィクトリアマイル組はマジックキャッスル、シゲルピンクダイヤ、テルツェット。この3頭はいずれも今年の本競走で上位人気に推されるかもしれない。特にマジックキャッスルは昨年秋華賞で2着に入り、その後は愛知杯1着→阪神牝馬S2着→ヴィクトリアマイル3着と重賞で連続好走。今回1番人気になる可能性が高く、実際に最も有力とみたい。シゲルピンクダイヤは一昨年に桜花賞2着、秋華賞3着とG1で2回好走した経験がある。小回りコースが合っているイメージはないが、地力でどうにかできるか。

前走マーメイドS組はシャムロックヒルのみ。マーメイドSではハナにたってそのまま押し切ったが、ハンデ50キロと1枠発走という恵まれた条件が重なった勝利のように見えた。

前走福島牝馬Sで2着に好走したドナアトラエンテは有力。G1経験はないが、例年は同レース好走馬とクイーンSの相性はいい傾向だ。また、前走米子Sで3着と復調の兆しがあるクラヴァシュドールを警戒。2歳時に阪神ジュベナイルフィリーズで3着に入ったことがある。前走ヴィクトリアマイル組以外ではこのあたりに注目したい。

ライタープロフィール

小田原智大(おだわら ともひろ)

1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。

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