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JRA-VANコラム

牝馬三冠の第一戦、桜花賞を分析する!

2022年4月7日 16:00配信
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2021/12/12 阪神11R 阪神ジュベナイルF(G1) 1着 10番 サークルオブライフ

今週は阪神競馬場で牝馬三冠の第一戦、桜花賞が行われる。一昨年はデアリングタクト、昨年はソダシが無敗での優勝を決めている。今年、阪神芝1600mで勝利するのはどの馬だろうか。今回は2012年以降・過去10年のデータから桜花賞を分析し、レース傾向ならびに今年馬券で狙えそうな馬を探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

■表1 桜花賞過去10年の人気別成績

表1は桜花賞過去10年の人気別成績。1番人気馬は14年ハープスターの1勝のみで、複勝率も50%とややもの足りない。対して、2番人気馬は昨年のソダシら近4年続けて勝利しており、半数の5勝をあげている。連対率・複勝率も80%と優秀だ。以下、3・5・7・8番人気馬が1勝ずつ。2着馬は上位7番人気までにおさまっているが、3着馬は8番人気以下が4頭と多い。ただし、10番人気以下の好走は13年に14番人気3着のプリンセスジャックのみ。

配当面では13年に7→2→14番人気の順で3連単67万9300円の高配当は出ているが、近4年は3連単5万円未満と堅めの決着が続いている。

■表2 桜花賞過去10年のキャリア別成績

表2はキャリア別成績。3戦の馬が19年グランアレグリアら3勝をあげ、連対率・複勝率トップだ。4戦の馬は13年アユサンら最多の4勝をあげており、3着以内数も13頭と最も多い。昨年は1着馬ソダシが該当しており、15年を除いて毎年1頭は3着以内に入っている。5戦、6戦の馬からも3着以内馬が複数出ているが、連対率・複勝率で3・4戦の馬に大きく差をつけられている。2戦の馬は一昨年のデアリングタクトが勝利。なお、7戦以上の馬からは3着以内馬が出ていない。

■表3 桜花賞過去10年の前走レース別成績

※(L)はリステッド競走。

表3は前走レース別成績。チューリップ賞組が16年ジュエラーら最多の5勝をあげているものの、G2へ昇格した18年以降は勝ち星がない。とはいえ、G2となった近4年で3着以内馬5頭とやはり最重要の前哨戦であることは間違いない。

阪神JF組は昨年のソダシが勝利し、連対率・複勝率60%と好相性。連対した3頭は桜花賞で上位2番人気以内に支持されていた。出走数最多のフィリーズR組は17年レーヌミノルの1勝のみ。連対率・複勝率ともに低く、18年以降は好走馬が出ていない

朝日杯FS組は19年グランアレグリア、シンザン記念組は18年アーモンドアイ、リステッド競走となったエルフィンS組は一昨年のデアリングタクトがそれぞれ勝利している。なお、クイーンC組、フェアリーS組は勝ち星がなく、2・3着止まりとなっている。

■表4 桜花賞過去10年の前走着順別成績

表4は前走着順別成績。前走1着馬が昨年のソダシら最多の4勝をあげているが、連対率・複勝率はそれほど高くない。前走2着馬は17年レーヌミノルら2勝。注目は前走3着馬で15年レッツゴードンキら3勝をあげ、勝率・連対率・複勝率は前走1着馬を上回っている。前走4着馬は12年ジェンティルドンナが勝利。勝ち馬はすべて前走4着以内に入っていた。

前走5着以下では、前走6~9着だった馬が複勝率17.4%。2・3着馬4頭はいずれも前走チューリップ賞組で、そのうち3頭は桜花賞で8番人気以下の人気薄だった。

■表5 桜花賞過去10年の前走人気別成績

表5は前走人気別成績。前走1番人気馬が18年アーモンドアイら過半数の6勝をあげ、勝率・連対率・複勝率いずれもトップだ。昨年は1着馬ソダシが該当しており、毎年1頭は3着以内に入っている。前走2番人気馬は15年レッツゴードンキら2勝で、連対率は前走1番人気馬に次いで高い。前走3番人気馬は一昨年のデアリングタクト、前走5番人気馬は13年アユサンがそれぞれ勝利している。なお、前走6番人気以下からは13年3着プリンセスジャック(前走チューリップ賞8番人気8着)しか好走馬が出ていない。

■表6 前走から継続騎乗or乗り替わり別成績(過去10年)

表6は前走から継続騎乗と乗り替わりの成績比較。勝率・連対率・複勝率いずれもほぼ変わらず、複勝率では乗り替わりの方が上回っている。注目は単勝回収率と複勝回収率。継続騎乗で3着以内に入った20頭はすべて上位7番人気以内に支持されていた。対して、乗り替わりで3着以内に好走した10頭中6頭は7番人気以下の人気薄だった。乗り替わりの馬の方が人気薄でも激走のチャンスはありそうだ

■表7 桜花賞過去10年の前走馬体重別成績

最後に表7は前走馬体重別成績。勝ち馬10頭はすべて前走馬体重が460kg以上だった。特に前走480~499㎏のゾーンは19年グランアレグリアら3勝をあげ、連対率・複勝率ともに優秀だ。前走460kg未満の馬は2・3着止まり、500kg以上の大型馬からは3着以内馬が出ていない。

<結論>

■表8 今年の桜花賞の出走予定馬(4/6現在)

※フルゲート18頭。アリシアン以下は抽選対象。

今年の桜花賞出走予定馬は表8のとおり。

1番人気に支持されるのは前走チューリップ賞を勝利したナミュールだろう。馬券圏外に敗れたのは昨年末の阪神JF4着だけ。前走1番人気で勝利したのは好材料だが、G2昇格後のチューリップ賞組から勝ち馬が出ていないこと、前走馬体重が430kgで表7に示した過去10年の勝ち馬の共通点から外れている点は気にかかる。能力の高さは間違いないものの、出遅れの懸念材料もあり、アタマ固定は危険と見る。

替わってサークルオブライフを主軸に推したい。キャリア5戦ではあるが、前走3着、前走馬体重476kgは好材料。一度使われて良くなるタイプの馬で、前走チューリップ賞を叩いた上積みは大きいだろう。阪神JFに続くG1・2勝目の可能性も十分だ。

他では好成績のキャリア3戦組からアルーリングウェイフォラブリューテ、好相性の阪神JF組からラブリイユアアイズも穴候補として挙げておきたい。

ライタープロフィール

ケンタロウ(けんたろう)

1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。

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