JRA-VANコラム
今年もスローの上がり勝負!? 新潟2歳Sを攻略する

8月も後半となり、夏競馬もラスト2週となった。今週は日曜に新潟で2歳重賞の新潟2歳S、札幌でスプリント重賞のキーンランドCと2鞍の重賞が組まれている。今回のデータde出~たでは、新潟メインの新潟2歳Sをピックアップ。例年スローペースからの上がり勝負となっている同レースを2012年以降・近10年のデータから攻略していきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

まず表1は過去10年の人気別成績。1番人気馬は2019年ウーマンズハートら4勝をあげ、連対率は70%でトップ。2番人気馬は一昨年にショックアクションが勝利し、複勝率50%。3番人気馬が昨年のセリフォスら最多の5勝をあげており、複勝率は70%で1番人気馬と並んでトップだ。勝ち馬はすべて上位3番人気以内におさまっている。
対して、2・3着馬は下位人気まで幅広く分布している。2着に10番人気以下が激走した12年・15年は3連単26万円以上と波乱の決着となったが、16年以降の近6年は同6万円未満と堅めの決着が続いている。

表2はキャリア別成績。出走数が多い前走新馬戦を勝ったばかりの1戦の馬が昨年のセリフォスら7勝をあげ、勝率・連対率・複勝率いずれもトップだ。昨年は上位3着までを独占し、15年を除いて毎年2頭以上3着以内に入っている。
2戦の馬は18年ケイデンスコールら3勝をあげ、勝ち馬はすべて2戦以内におさまっている。なお、3戦の馬は13年3着ピークトラムしか3着以内に入っていない。

表3は前走上がり順位別成績。前走上がり1位だった馬が大半の8勝をあげ、勝率・連対率トップ。3着以内馬18頭中6頭は6番人気以下と伏兵も含まれており、注目しておきたいファクターだ。前走上がり2位の馬は17年フロンティアら2勝をあげ、複勝率は前走上がり1位よりも高い。3着以内馬はすべて前走で上がり2位以内の脚を使っていた。
冒頭に「新潟2歳Sはスローペースからの上がり勝負」と記したが、実際に新潟2歳Sで上がり1位をマークした馬は【7.2.1.0】とすべて馬券に絡んでいる。また、上がり2位の馬も【3.3.2.3】で複勝率は72.7%と非常に高く、上がりの速さを求められる一戦となっている。前走での上がり順位2位以内というのは好走への必須条件といえそうだ。

表4は前走からの間隔別成績。中2週は14年ミュゼスルタンら3勝、中3週は18年ケイデンスコールが勝利するも、それぞれの複勝率は低い。出走数最多の中4~8週の馬は13年ハープスターら4勝をあげ、一昨年を除いて毎年1頭は3着以内に入っている。3着以内馬17頭中9頭は6番人気以下の伏兵だった。
また、中9~24週の馬は15年ロードクエストら2勝をあげ、連対率・複勝率トップ。3着以内馬9頭はいずれも上位4番以内だった。黄色で強調した中4週以上の馬が好成績をあげており、今年も該当馬はチェックしておきたい。

表5は前走馬体重別成績。勝ち馬はすべて前走440~499kgの範囲におさまっている。なかでも前走460~479kgの馬は16年ヴゼットジョリーら4勝をあげ、複勝率は29.5%でトップ。前走500kg以上の大型馬は勝ち馬こそ出ていないが、2着2回で連対率トップだ。
一方、440kg未満の馬は39頭出走して、3着1回のみ。軽い馬体重の馬は苦戦傾向にある。

最後に表6は前走競馬場別成績。出走数最多の前走新潟組が一昨年のショックアクションなど5勝をあげているが、連対率・複勝率は高くない。複数の好走馬が出ている中で複勝率が高いのが前走東京組と前走中京組だ。
前走東京組は15年ロードクエストの1勝のみだが、複勝率トップ。ロードクエストは続くホープフルSで2着と好走。翌春のNHKマイルCでも2着と活躍を見せた。
前走中京組は昨年のセリフォスら4勝で、連対率トップ。勝ち馬はすべて前走左回りのコースから出ている。キャリアの浅い2歳戦においては前走が同じ左回りというのは大きなアドバンテージといえるのではないか。今年も前走左回り、特に前走東京・中京組を中心に馬券を組み立てていきたい。
ライタープロフィール
ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。
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