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JRA-VANコラム

4年ぶりに中京ダート1400mで行われるプロキオンSを分析!

2023年7月6日 16:00配信
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2022/12/11 中山 11R カペラステークス(G3) 1着 6番 リメイク (Photo by JRA)

今週日曜日に中京競馬場でプロキオンSが行われる。同レースは2012年から7月の中京ダート1400mで行われるようになったが、20年は阪神ダート1400m、21年と22年は小倉ダート1700mで行われた。したがって、4年ぶりに通常の中京ダート1400mで施行されることになる。いつものように過去10年のデータを分析するが、中京ダート1400mで行われた2013年から19年の7年分を対象とする。データの分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JV を利用した。

■表1 プロキオンSの前走クラス別成績(2013~19年)

表1は2013年から19年(以下同様)のプロキオンSの前走クラス別成績。まず気づくのがJRAの重賞(G1・G2・G3)組の成績が悪いこと。延べ16頭が出走して一度も3着以内に入っていない。内訳を見ると、1~2番人気の出走はなかったが、15年は3番人気のエアハリファ(前走根岸S1着)が14着に敗れていた。前走とのレース間隔が12週以上、あるいは前走が芝重賞というケースが多いことが要因となり、好成績を収めづらくなっているのかもしれない。

一方、前走地方組の成績は【2.3.0.19】とまずまず。基本的にダートグレード競走組が占め、ローテーション的にも無理のないケースが多かった。なかでも前走かしわ記念組の成績が【1.1.0.0】と優秀。15年はベストウォーリア(前走かしわ記念2着)が1着、18年はインカンテーション(前走かしわ記念3着)が2着だった。

また、サンプル数は少ないが前走海外組の成績【0.1.0.1】も良い。対象馬の2頭はともに前走ドバイの国際競走を走っていた。

前走オープン特別組は、リステッド競走組の成績は【0.0.0.3】だが、非リステッド競走組の成績は【4.2.7.38】と多数の好走馬が出ている。複勝率は25.5%で、前走地方組よりも高い。前走オープン特別組に関しては、後ほど詳しく見ていくことにする。

前走3勝クラス組の成績は【1.1.0.9】で、昇級馬も侮れない一戦だ。好走した2頭は18年1着(5番人気)マテラスカイと、19年2着(3番人気)ミッキーワイルド。前者は2走前にドバイゴールデンシャヒーン(G1)に出走して5着と善戦していた。後者は2連勝中で、前走麦秋Sが4馬身差の圧勝だった。つまり昇級馬とはいえ、今回人気を集める要素を持っていたと言える。言い方を変えると、こうした目立った実績を持っていないと昇級馬は狙いづらい。

■表2 前走オープン特別(非L)組の前走着順別成績(2013~19年)

表2は前走オープン特別(非L)組の前走着順別成績。前走1着の成績は【2.2.4.6】、前走2着の成績は【2.0.0.5】と、連対していることが非常に重要だ。好走馬の前走レースは、欅S、天保山S、アハルテケS、栗東Sなどで、競馬場はどこでもいいが、1400~1600mのレースが多い。さらに注目ポイントを述べると、連勝中か、過去にダートの重賞で好走実績があると望ましい

■表3 プロキオンSの種牡馬別成績(2013~19年)

表3はプロキオンSの種牡馬別成績。好走馬を大きな系統で見ると、ボールドルーラー系、ミスタープロスペクター系、ヘイロー系の3つがほとんど(30頭中29頭)を占めていた。特にボールドルーラー系(Majestic Warrior、シニスターミニスター、カジノドライヴ)の好走率が高かった。ヘイロー系はアドマイヤオーラ、メイショウボーラー、エイシンサンディ、フジキセキといった顔ぶれで、芝よりもダートで強いタイプという印象を受ける。ミスタープロスペクター系に関しては、ダート巧者だけでなく、キングカメハメハやロードカナロアといった芝の一流馬を出しているタイプでも結果を残している。

以上の点を踏まえて、今年のプロキオンSを占ってみたい。出走予定馬は表4の通り。

■表4 今年のプロキオンS出走予定馬

フルゲート16頭。他にも登録馬あり(7/3時点)。

まず注目したいのがリメイク。中京ダート1400mの成績は3戦2勝。22年カペラSで重賞初勝利を挙げ、前走はドバイゴールデンシャヒーンに挑戦して5着だった。斤量58キロ+海外遠征明けでも評価したいところ。また、父のラニはボールドルーラー系なので、血統的にも狙える。

タガノビューティーもデータ的には期待の1頭。前走かしわ記念でメイショウハリオ(次走帝王賞1着)とクビ差の2着と好走したのが大きい。追い込み馬なので展開に左右されるが、G1/Jpn1で強敵相手に好勝負をしていることから状態の良さがうかがえる。

逆に実績上位でもシャマルは前走さきたま杯での競走中止をどう見るか。当日の状態はかなり良さそうだったが、スタートがうまく決まらなかったこともあり、レースでは無理をさせなかったようにも見えた。距離1400mは合っているので見直したい。

前走オープン特別で連対しているのは、オメガレインボー、ジレトール、ドンフランキー、メイショウダジン。この中ではエルムSや武蔵野Sで好走実績があるオメガレインボーと、日本テレビ盃(船橋)3着の実績があるメイショウダジンを上位に取りたい。

前走3勝クラス組からはイフティファールとエルバリオが出走してくる。ともに重賞は今回が初挑戦ということもあり、いきなりは狙いづらいか。

ライタープロフィール

小田原智大(おだわら ともひろ)

1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。

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