JRA-VANコラム
京都芝外回り1600m戦で買える騎手は? マイルCS分析
京都競馬場でマイルCSが行われる。秋のマイル王決定戦で、今年は4年ぶりに京都開催となる。阪神開催の昨年は3歳馬セリフォスが優勝。今年も出走を予定しており、連覇なるかに注目だ。今回は近3年の阪神開催を含めた過去10年のデータならびに今年4月にリニューアルオープンした後の京都芝外回り1600m戦の騎手別成績からマイルCSを分析していきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
まず表1は過去10年の年齢別成績。3・4・5歳が3勝ずつで並んでいるが、連対率・複勝率では4歳馬が抜けて高い。勝率トップは3歳馬で、17年ペルシアンナイト(4番人気)、18年ステルヴィオ(5番人気)、昨年のセリフォス(6番人気)と4番人気以下の馬が勝利している。
出走数最多の5歳馬は連対率・複勝率で4歳馬に差をつけられている。6歳馬は14年ダノンシャークが優勝も、16年以降は3着以内馬が出ていない。なお、7歳以上の馬は苦戦傾向にある。
表2は前走着順別成績。前走3着以内だった馬が大半の8勝をあげ、複勝率も高い。これら前走3着以内馬の前走クラス別成績では、前走G1組が一昨年のグランアレグリアら4勝をあげ、連対率60.0%・複勝率70.0%と非常に高い。
G2組が複勝率31.0%、G3組が同14.3%で、前走クラスが高い方が好走しやすい傾向にある。なお、前走4・5着はともに複勝率17.6%、前走6着以下は14年1着ダノンシャーク(前走富士S7着)しか好走馬が出ていない。
表3は前走人気別成績で、勝ち馬10頭はすべて前走3番人気以内だった。その前走クラス別成績では前走G1組が15年モーリスら4勝をあげ、連対率・複勝率50.0%と非常に高い。次いで前走G2組が複勝率26.7%、前走G3組が同20.0%となっている。
マイルCSは過去10年堅めの決着が多く、要因として前走G1において上位人気で3着以内に入った馬が好走している、ということが挙げられる。前走4番人気は2着4回で連対率19.0%、前走5番人気以下からは連対馬が出ていない。
今年4月にリニューアルオープンした後の京都競馬場の芝外回り1600mにおける騎手別成績が表4。先週までに全11レース行われ、松山騎手がトップの2勝をあげて複勝率50.0%、他の9名が1勝ずつ。川田騎手は連対率・複勝率60.0%で松山騎手を上回っている。
また、複勝率71.4%で川田騎手を上回るのが西村淳也騎手。今秋の京都開催では騎乗機会3回で、3着(10番人気)・3着(6番人気)・2着(1番人気)と、いずれも馬券圏内に入っている。
【結論】
連覇のかかるセリフォス、エルトンバローズの上昇度に期待
(表5は11/15時点、除外対象馬なし)
連覇がかかるセリフォスは連対率・複勝率が高い4歳馬(表1)、前走G1の安田記念で3番人気2着(表2・表3)と、過去10年の好走データに当てはまる。今回は川田騎手が騎乗予定で、表4のとおり、京都芝外回り1600mの成績も申し分ない。安田記念以来となるが、休み明けも苦にしないタイプで連覇の可能性は十分とみる。
二番手に推したいのがエルトンバローズ。勝率トップの3歳馬(表1)、前走G2の毎日王冠で1着(表2)とマイルCSの好走傾向に合致し、京都芝外回り1600mと好相性の西村淳也騎手が騎乗予定だ。人気勢の多くが差しタイプなのに対して、先行できるエルトンバローズが恵まれる可能性もあるだろう。西村淳也騎手にとってG1初制覇のチャンスかもしれない。
ライタープロフィール
ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。
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